News 2000年11月15日 08:57 PM 更新

NTTなどが光ファイバーサービスの環境整備に向けてコンソーシアムを設立

「光サービスアーキテクチャコンソーシアム」が設立される。FTTHの時代を前に,ビジネスに必要な技術と方法の業界標準を確立するのが目的。

 NTT,シャープ,松下電器産業などが,ブロードバンドサービスにおける環境整備を推進する企業連合「光サービスアーキテクチャコンソーシアム」の設立を11月15日に発表した。名称の通り,光ファイバーによる100Mbpsクラスのブロードバンドサービスを前提としたもので,一般家庭にまで光ファイバー網が張り巡らされるFTTH(Fiber To The Home)の時代を見越して,いち早く業界内の意志統一を図る構えだ。

 コンソーシアムの発起人は,東京大学教授の安田浩氏と,シャープ,大日本印刷,NEC,NTT,松下電器産業の5社。既に,インテルやソニーなど12社が賛同を表明しているほか,コンテンツプロバイダーやシステム事業者,家電メーカーなどに対して広く参加を呼びかけるという。12月1日にNTTの武蔵野研究開発センターで説明会を開催し,同時にメンバーの募集を開始する。設立総会は2001年1月23日に行われる予定だ。

 同コンソーシアムでは,光ファイバーネットワークにおけるサービスモデル,機能モデル,およびシステムモデルを検討し,ネットワークからデバイス,アプリケーションに至るそれぞれの“インタフェース条件”を設定する。これにより,ユーザーは機器やサービス事業者の違いを意識することなく,統一された使用作法でECや映像配信といったサービスを利用できるようになる。また,各インタフェース条件は,ARIBやcIDfといったほかの標準化団体と連携することで,業界標準として確立させる方針。

 「一般利用者に提供するサービスとして実効のあるものとするには,光サービスとして送り手から受け手まで首尾一貫した形になるよう,インタフェース条件を設定する必要がある」(同コンソーシアム)。検討結果は,2002年1月までに最終報告としてまとめられる。

 NTTで技術戦略を担当する鈴木滋彦取締役によると,東西地域会社の光ファイバー網は,「既に人口10万人規模の都市なら,ビジネスエリアの93〜95%をカバーしている。あと数十メートル延ばせば,各戸に至る状況だ」という。同社は年内にも最大10Mbpsの光アクセスサービスを定額制で試験運用(4月12日の記事を参照)する予定。DSLの本格サービスも2001年早々に開始されるが,やはりNTTの本命は光ファイバーのようだ。

 「DSLは中途半端だ。“ネットワーク社会”が600Kbpsから数Mbpsで打ち止めでは困る。なるべく早く移行したい」(鈴木氏)

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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