News 2000年11月17日 11:51 PM 更新

1ビットアンプの普及を進めるシャープ,アイワのデュアルCD録画機など──Audio Expo 2000フォトレポート

Audio Expoの開場で見つけた注目の新製品を一挙紹介。

 シャープは,1ビットデジタルアンプを搭載するコンポ「AuVi」シリーズを順次投入する(最初の機種は先週発売された)。1ビットデジタルアンプは,アナログ信号を内部で1ビットのデジタル信号に変換し,そのまま伝達と増幅を行うのが特徴。「従来のマルチビット信号処理のように,情報の間引きや補完がなく,より原音に近い音質を実現する」(シャープ)。

 また,シャープによると,1ビット信号は,USBやIEEE 1394,Bluetoothといった手段で伝達する際にも信号のロスが少なくて済むという。今後,AV機器とPCの融合が進む中で,重要な技術となる可能性がある。

 来年投入予定の1ビットデジタルアンプ+DVDプレーヤーのコンポ。スピーカーの高さも本体に合わせている。

 10月の「CEATEC JAPAN」ではモックアップが展示されていた日本ビクターのSDプレーヤー。今回はしっかり動作するものが展示され,視聴もできた。MP3のほか,128KbpsまでのAACファイルも再生可能だ。ディスプレイは12桁×3段のようだが,詳しいスペックは未定。ビクターの説明員は「来春には製品化する」と話していた。

 ヤマハが来春発売するDLP方式のホームシアター用液晶プロジェクター。薄型コンパクトなボディと静音設計が特徴だ。1080iまでの入力に対応する。

 DVD-RAMやDVD-RWを使ったレコーダーが次々と登場するなか,アイワがユニークな商品を参考出展した。CDとCD-R/RWのダブルドライブを搭載した「XM-RW100」だ。ビデオCD(MPEG1)もしくはSVCD(MPEG2)フォーマットで,CD-R/RWメディアにビデオを録画することができる。1枚のメディアにビデオCDなら最大74分,SVCDの場合でも37分(2.4Mbps)まで記録可能。ビデオCDはともかくとして,SVCDならそこそこは見られる画質だ。「ビデオ撮影したものを友人や知人に配布するといった用途を想定している」(アイワ)。

 問題は,SVCDで録画したものを再生できる民生用プレーヤーが極端に少ないこと。ビデオCD規格ならDVDプレーヤーやゲーム機のほとんどが対応しているが,SVCDをサポートしているのは「ごく一部のメーカーのごく一部の機種」(アイワ)だけ。

 もう1つの問題は,せっかくデュアルドライブを搭載していながら,CDのデジタルコピーに対応していない点。理由は著作権絡みではなく,「開発の途中で急遽CDドライブを追加したため」(アイワ)。アナログコピーならできる。

 同社では,来年中の発売を計画しているが,価格などの詳細は未定だという。ビデオCD人気の高いアジア市場なら売れ筋になりそうだ。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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