News 2000年11月29日 10:10 PM 更新

ドコモ,IMT-2000に向けPHSで映像配信サービスを開始

2001年5月のIMT-2000スタートに向けて,一足早くPHSでの映像配信のサービスが始まる。映画,音楽のプロモーションやニュースを流していく。

配信映像サンプル()。それぞれMPEG1形式。1.3Mバイト

IMT-2000に向けて,動画配信スタート

 11月29日,NTTドコモはPHSを使った映像配信サービス「M-stage visual」を12月8日に全国で開始すると発表した。ターゲットは若者が中心。「電車の待ち時間など,ニッチな時間帯で情報を取ったり楽しむところから始める」(NTTドコモ)。

 ただし映像配信の本命は来年5月に開始される次世代携帯電話サービス,IMT-2000だ。PHSでは通信速度が最大64Kbpsということで「秒4〜5コマ」(NTTドコモ)といささか寂しい映像だが,IMT-2000は最大384Kbpsという通信速度を持ち,スムーズな映像が期待される。このM-stage visualは,IMT-2000での映像配信サービスにおける起爆剤としての位置付けだ。

 M-stage visualの動画コンテンツは,IMT-2000でも利用できる。NTTドコモは「IMT-2000の呼び水効果を期待している」とも話しており,IMT-2000に向けた動画配信の基盤作り・実験といった意味合いが強い。

 現在のところ,32K/64KbpsのPHSと同時に発表された専用端末「eggy」(エッギィ)を用いて映像を見る形となる。eggyには35万画素のCCDが搭載されており静止画や動画を撮影できる。内蔵されたメール機能によって,それらをメールに添付して送信することも可能だ。


eggyは2型のタッチパネル液晶と十字キーの両方で操作できる

背面にはコンパクトフラッシュType IIのスロットがある。メモリカードも利用できる

 eggyの主な仕様は以下の通り。

製品名 eggy(エッギィ)
表示部 2型TFT低音ポリシリコンカラー液晶(557×234ピクセル表示)
カメラ 35万画素CCD
電源 専用リチウムイオン電池
連続通信時間 約70分(専用接続ケーブル使用)/約60分(P-in Comp@ct,パルディオ611S/341S使用)
連続表示時間 約70分(静止画/動画)
連続撮影時間 約65分(動画)
サイズ 131(幅)×39(奥行き)×81(高さ)ミリ
重量 225グラム

 eggyはWebブラウザ機能も持っており,iモードサイトで利用されているコンパクトHTMLを使ったコンテンツを表示できる。ただし,iモード公式サイトの閲覧はできない。

 また,PHSとeggyとはケーブルで接続するが,コンパクトフラッシュType IIのスロットを装備しており,P-in Comp@ctでも通信できる。

 eggyはオープンプライスで,予想実売価格は2万5000円前後。来年3月末までに2万台の販売を目標としている。

来年5月まで無料サービス

 映像を見るためにかかる費用は,M-stage visualのサービス料のほか,有料コンテンツの場合はコンテンツ料,そしてPHS通信料が15円/分となる。

 M-stage visualのサービス料は月200円だが,来年5月31日まで無料。コンテンツごとに設定された料金も,「5月まではかなりのコンテンツが無料で,有料コンテンツもiモードのもの(上限300円)より多少高い程度」(NTTドコモ)という。

 提供されるコンテンツは,以下の4ジャンルに分かれ,サービス開始時で38企業が47チャンネルを提供する(番組内容の詳細)。

  • エンターテインメント系。TVドラマの予告,お笑い番組,アニメ
  • 映画,音楽のプロモーション
  • ニュース,スポーツ系
  • 情報系。生活に役立つような,お天気情報やグルメ情報など

 映像は1分から5分のものがほとんどで,ストリーミングとダウンロードの2種類で提供される。映像コンテンツの著作権を守るため,「著作権のあるものはストリーミングで提供される」(NTTドコモ)という。映像はASFフォーマットのMPEG4で提供されるが,PCなどeggy以外の機器からは閲覧できない。

 コンテンツへの課金はNTTドコモが代行し,代行手数料はほぼiモードと同等だという。

 サービススタート時点では,M-stage visualの仕様はオープンではないが,いずれ公開していく。仕様が公開されれば,いわゆる勝手サイトでも動画が配信可能になる。

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[斎藤健二, ITmedia]

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