News 2000年11月29日 10:17 PM 更新

PC上で人の表情をリアルタイムに再現──オムロン,米国ベンチャーの技術を国内販売

オムロンは米国ベンチャーと合弁会社を設立,表情をリアルタイムに3D CGで再現する技術の普及を図る。

 オムロンは11月29日,米国のCG関連ベンチャーであるEyematicと共同で新会社を設立し,独自の3次元CG技術のライセンスやソフトウェアパッケージの国内販売を開始すると発表した。Eyematicが開発した,顔の表情をリアルタイムに3D CGで再現する技術を活用し,アニメやゲームなどのコンテンツ制作分野に加え,PCや携帯端末上で利用できるコミュニケーションツールとしても売り込んでいく。

 新会社は「アイマティックジャパン」で都内に設立される。資本金2億円のうち,80.1%をEyematicが,残りをオムロンが出資する。社長にはオムロンのソーシアルシステムズビジネスカンパニー新規事業開発推進室長の白川明敏氏が就任する。

 同社が販売するのは,Eyematicが開発した「Interactive Virtual Video Animation」(IVVA:イーバ)技術だ。IVVAは,PCなどに接続したカメラでユーザーの表情の変化や頭の動きなどをとらえ,3D CG上で実物の動きを再現するというもの。あらかじめ人の頭部の3D画像や,表情のバリエーションを作成しておく必要があるが,ほぼ表情の変化がほぼリアルタイムに反映される点が特徴で,いわば“表情のモーションキャプチャー”だ。


IVVAを利用したデモ。PCカメラでキャプチャーした表情が,ディスプレイ上の3D CGに再現されている。1秒以内のタイムラグは感じられたが,頭の傾きや口元の動きなどはなかなか忠実に反映されていた

 従来も同様の技術はあったが,複数のアングルにカメラやセンサーを設置しなければならず,一般ユーザーレベルで利用するのは難しかった。IVVAでは市販の安価なPCカメラでも,表情の動きを高精度に検出できる上,再現性やリアルタイム性の点で従来技術より優れているという。またデータサイズも毎秒30フレーム時で2.5Kbps程度と小さく済むため,携帯端末などでもスムーズに利用できるとしている。

 IVVA技術を活用したアプリケーションとして,アニメーションの自動作成やゲームへの応用,ネット上での画像チャット,コンサートや舞台での演出効果といったエンターテイメント分野が挙げられる。さらに,ATMやキオスク端末に導入することで,ユーザーが困っている様子を表情で察知,オンラインでその場でサポートする──といった用途も考えられるという。

 アイマティックジャパンでは,IVVA技術自体のライセンス販売に加え,同技術を活用したアニメーション制作ソフトなどを各種コンテンツ制作会社に販売していく考え。2000年度の売上は1億円,2001年度から3年間で100億円の売上を目指している。

 Eyematicは1997年に米国の南カリフォルニア大学の研究者が設立したベンチャー企業。オムロンは同年に出資を含む技術提携を締結。Eyematicの顔認識技術を,入退室管理システムや徘徊老人保護システムといった自社製品に採用している。

 オムロンの立石忠雄専務は「IVVAは顔の動きをリアルタイムに検知でき,ゲームやアニメなどの制作ツールに加え,携帯電話などでインタラクティブなコミュニケーションツールとしても利用できる。また指紋や虹彩などのバイオメトリクスに比べて顔認識は自然な状態で認識作業が行えるため,高齢者でも簡単に扱えるインタフェースになりうる」と話している。

関連リンク
▼ オムロン
▼ Eyematic

[小林伸也, ITmedia]

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