News 2000年11月30日 09:34 PM 更新

楽天とインフォシークは相思相愛?

楽天がインフォシークを買収すると発表した。共通の目標を持つ,最高のパートナーを見つけたようだ。

 楽天は11月30日,インターネット検索サイトのインフォシーク日本法人を買収すると正式発表した。楽天は,米Walt Disney傘下の米Infoseekから,インフォシークの発行済株式100%を取得し,完全子会社化。楽天は,インフォシークの検索エンジンを含む各種技術の独占的使用権を獲得することになるが,インフォシークは今後も現在のブランドのままサービスを継続する。買収額は90億円程度。

 楽天では今回の買収について,「インフォシークのページビューは,1日あたり500万で,楽天と合わせると約1000万PVに達する。これにより,楽天市場への来場者が大幅に増加する」と話しており,インフォシークのユーザーを楽天へと誘導するのが狙いであることを伺わせる。ただ,具体的に両社のサービスをどう統合するかについては,「インフォシークに“楽天ショッピングゾーン”を設けることなどを考えているが,詳細は今後検討する」(同社)と述べるにとどまった。

 「インフォシークは月間1億円程度の赤字を出しているが,共同でプロモーションを展開することで,マーケティング費用を削減し,2001年早期の黒字化を目指す。インフォシークの業績は問題ではない。むしろインフォシークを90億円で買収できたのは非常に幸運だ」(楽天)

 勢いを失いつつある国産ネットベンチャーの中でも,比較的堅実にビジネスを拡大してきた楽天。ただ,ショッピングモール「楽天市場」での5万円の出店料と広告を中心とするビジネスモデルではこれ以上大きな成長が見込めないとの判断から,積極的な買収合併戦略によりサービスを拡充してきた。具体的には,今年9月にCS放送でTVショッピング番組を放映しているベターライフテレビを,10月にはメーリングリストサービスのインフォキャストを子会社化しており,今回のインフォシーク買収もその一環となる。

 ポータル化を進めながらも,「検索技術は素晴らしいが,基本的に競合とは思っていない」(ポータル関係者)という厳しい評価を受けているインフォシークと,ヤフーショッピングの打倒を目標としながらも,力の差を痛感していた楽天。この両社の組み合わせは,互いを補完するという意味で最適なタッグかもしれない。

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[中村琢磨, ITmedia]

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