News 2001年1月7日 01:00 PM 更新

「PCは不滅です」と強調するIntel CEOのBarret氏

「2001 International CES」のキックオフキーノートに米Intel会長兼CEOのCraigBarrett氏が登場。PCの重要性は不変だと強調した。


 米ラスベガスで1月6日より開幕する「2001 International CES」のキックオフキーノートとして,米Intel会長兼CEO(最高経営責任者)のCraig Barrett氏が5日,会場となったLas Vegas Hilton Theaterに登場した。今回のCESは,デジタル家電に活路を見出すPCメーカーという構図で描かれているが,Barrett氏は「ここはCESの会場だが,PCの話でも少々」と切り出し,こうした見解に異を唱えるかのように「PC業界を取り巻く環境は望ましいものではないが,長い目で見ればPCの役割は引き続き大きなものになる」と強調した。

 Intelは先日,MP3プレーヤーを発表したばかりだが,Barrett氏は講演でキーボード付きのページャーやタブレットPCなども披露。「Intel Play」ブランドの顕微鏡やボイスレコーダーと併せれば,こうしたコンシューマー向けの製品はかなりの数になる。しかしながらBarrett氏は,コンシューマー向けの製品について「事業規模としては微々たるもの」と述べ,「音楽プレーヤーやカメラなどのアナログ機器がどんどんデジタル化しているが,それを活用するには必ずPCが必要になる。今後も,現在のPCの地位は変わらない」とした。


IntelブランドのタブレットPC。あくまでプロトタイプということで,製品化の時期や価格については未定

Intelブランドのページャー。キーボードが付いている。デザインはNTTドコモの「Pocketboard」のよう

 「ブロードバンドに対応する第3世代の携帯電話がPCを代替するという意見もあるが,それは間違っている。あんなに小さい画面でエクセルのスプレッドシートを扱えるわけがない。ユーザーにとって望ましいのは携帯電話とPCがシームレスに接続できる環境が構築されること。キーワードはコンバージェンスだ」(Barrett氏)。

 さらにBarrett氏は,ブロードバンド時代にはPCがホームサーバ的な役割を果たす“メディアステーション”になると説明した。例えば,PCに取り込んだ画像をいろいろなデバイスから閲覧したり,PCにストリーミングデータを蓄積し,ワイヤレスでタブレットPCに伝送したりするなどの使い方が想定されるという。ソニーや松下電器産業はこのようなソリューションをホームサーバで実現しようとしているが,Intelではあくまでその役割はPCがカバーすると考えているようだ。

 「CPUがより高速になれば,メディアステーションとしての役割も十分にこなせるようになる。さらにアラウンドPCの製品群では,リッチなコンテンツも扱えるようになる。ポストPC時代と言われて久しいが,ポストPCはこのような機能を備えた“エクステンドPC”の時代だ」(Barrett氏)。


講演でパフォーマンスを行った「BLUE MAN GROUP」(BMG)に囲まれるBarrett氏。BMGがBarreet氏に胃カメラを飲ませているというシチュエーションで,上のディスプレイにはBarrett氏の胃の中が映し出されており,Barrett氏の中でPentium 4のロゴが見つかるというオチ

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[中村琢磨, ITmedia]

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