News 2001年1月18日 11:59 PM 更新

AMD,シェア30%に向けて法人市場開拓へ

第4四半期こそ減速したものの,2000年に会社設立以来最高の46億ドルを売り上げたAMD。2001年には法人市場も開拓し,30%のシェア獲得を目指す。

 日本AMDは1月18日,年始の恒例行事となった「Press Meeting」を催し,国内の報道関係者に対して,今年の目標と最新のプロセッサロードマップを披露した。

 2000年第4四半期決算でアナリストの期待には応えられなかったAMDだが,挨拶に立った堺和夫社長は「2000年はすばらしい年だった」と言う。事実,AMDは2000年通年で過去最高の46億ドル(前年比62%のアップ)を売り上げ,純利益も9億8300万ドルに達した。プロセッサの出荷量も2650万ユニットと「目標としていた2500万ユニットを上回っている」(堺氏)。ワールドワイドの市場シェアは17%。この好調さを背景に,同社は今年,30%のシェア獲得を目指す。

 日本AMDとしては,足場固めのためにコンシューマー市場でのシェア拡大を促すとともに,法人市場への本格参入を果たすのが目標だという。特に,最近企業での導入が進んでいる省スペースデスクトップへの採用増に取り組む方針。「大規模(企業)ユーザーに対し,OEMメーカーと協調して食い込みたい。目標は,年末までに法人市場の10%以上を握ることだ」(堺氏)。

ロードマップはほとんど変化なし


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 今回,AMDが公開した最新ロードマップは,昨年11月の「COMDEX/Fall 2000」で披露されたものと基本的に同じ(11月14日の記事12を参照)。昨年のロードマップにはあった「Mustang」が消え,その代わりに現行Athlonの後継となる「Palomino」(パロミノ)や「Thoroughbred」(サラブレッド),現行Duronの後継となる「Morgan」(モルガン)や「Appaloosa」(アパルーサ)といった名前が並んでいる。

 このうち,2001年第1四半期にはパフォーマンスデスクトップPCとノートPC向けにPalominoが投入される予定だ。ノート向けのPalominoは,初のAthlonベースモバイルチップとなるもの。「第1四半期の終わりまでには,AthlonがFab.30の銅配線プロセスにより製造され,すべて1GHz以上のスピードになる」(日本AMDの吉沢俊介取締役)。同社の予定では,今年後半には1.7GHzのAthlonが投入されることになっている。

 なお,ロードマップには,COMDEX/Fallの時点ではなくなったと思われていた「Spitfire」コアのモバイルDuronも,現行製品として,しっかり復活していた(1月17日の記事を参照)。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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