News 2001年1月19日 11:12 PM 更新

富士通「i-Point」が示すBluetooth携帯端末の可能性

 各社のパソコン春モデル第1弾が発表された。特に,印象に残ったのは,富士通の発表した「FMV BIBLO NE6/650W」だ。この意欲的なモデルは,今後のコンシューマー向けパソコンの流れを先取りしたものだといえるが,実際の市場で,どのように受け止められるかが興味深い。


「FMV BIBLO NE6/650W」と携帯ビューワー「i-Point」

 このモデルの最たる特徴は,本体にBluetoothモジュールを内蔵している点だ。さらに,i-Point(1月16日のMobileを参照)と,ワイヤレスステーションが標準添付され,3つのデバイス間での通信をBluetoothがサポートする。

 まず,本体を電話回線を使ってインターネットに接続するためには,ワイヤレスステーションを使う。これは,モデムに相当するデバイスで,134×32×110ミリ,約250グラムというから,ハガキを一回り大きくしたようなサイズだ。これを電話回線につないでおき,BIBLO本体とBluetoothで通信し,ワイヤレスでのインターネットアクセスを可能にする。見通し半径50メートル以内の通信が可能ということなので,まあ,家の中であれば,どこにいてもワイヤレスでインターネット接続ができると考えていいだろう。


また,i-Pointは,手のひらにすっぽり収まる小さな携帯ビューアーだ。103.5×55×13.5ミリ,約65グラムで,120×96ピクセルの液晶ディスプレイを持ち,これもBluetoothを使って本体と通信し,メールをダウンロードしたりすることができる。さらに,このデバイスは,本体のリモコンのようなイメージで使える。音楽CDの再生や停止操作ができるほか,ワンタッチボタンを備え,アプリケーションを起動したり,あるいは,ワイヤレスマウスとしてパソコンを操作したりといったことができる

富士通に拍手

 正直いって,これほど早い時期に,具体的なBluetoothソリューションを提供する製品が出てくるとは思っていなかった。いったい誰が最初にやるのかと,周辺機器メーカーを含め,各社様子を見ていたと思うのだが,今回の富士通の英断には拍手を送りたい。BIBLOの新モデルが見せてくれる環境からは,まだまだ荒削りではあるが,新しい技術をできるだけ早期に,そして分かりやすい形で商品化しようという意気込みが伝わってくる。

 特に,i-Pointは,Bluetoothを実装した具体的な携帯電話がなかなか出てこない状況の中で,小型の携帯端末とパソコンがBluetoothでつながれば,どのようなことができるのか,どのようなことができれば便利で楽しいのかを模索していくためのリファレンスに近いデバイスだといえる。パソコン本体とは切り離されたデバイスで,どのようなことができれば便利なのかは,実際に,そういう環境を作って,いろんなことを試してみないことには見えてきにくい。その結果,こういうデバイスに求められるのは,インテリジェンスな機能ではなく,シンプルな単機能であるといった結論が出たってかまわないと思う。

 「標準」であることの大きなメリットは,別のものとのスゲカエ,あるいは後発のデバイスの追加が容易な点だ。これらのデバイスが,特殊な方法で本体と通信していたのでは,BIBLOのユーザーは,その方式と心中しなければならない。でも,Bluetoothという標準を使っていれば,より魅力的なデバイスが出てきた時点でそれらを追加していくことができる。たとえば,ワイヤレスステーションにしても,これをADSLモデムと交換したりするようなことが,簡単にできるようになっていればそれでいいわけだ。

 このコラムでは,パソコンの後ろ側に大盛り状態になっているスパゲティ配線について,何度も言及してきたが,Bluetoothは,そのスパゲティを少しでも小盛りに,理想的にはゼロにするために貢献してくれるテクノロジーだ。パソコンの背面から出ているケーブルは,電源ケーブルだけというのが理想(もちろん,それもないにこしたことはない)なのだ。

 今回の富士通の製品化に刺激され,各社が本気になってくればと思う。鳴り物入りで紹介されていたテクノロジーであるにもかかわらず,なかなか具体的な製品が出てこなかったBluetoothも,いよいよ本格的な普及期に入る。そして,その中で,インターオペラビリティが検証されていく。ここはひとつ,サードパーティを含めて,より豊かなBluetoothライフを提案していってほしいと思う。

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[山田祥平, ITmedia]

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