News 2001年1月23日 08:54 PM 更新

誰もがインターネットを利用できるパソコンを──IBMから新Aptivaが登場

日本IBMの「Aptiva Eシリーズ」には,初心者や高齢者でもパソコンを容易に操作できるようにするためのソフトウェア「ITry Kit」が初期導入されている。

 日本アイ・ビー・エム(IBM)は1月23日,コンシューマー向けスリムタワー型PC「Aptiva Eシリーズ」の新製品として「7EJファミリー」5モデルを発表した。同社の開発した「ITry Kit」を導入し,パソコン初心者や高齢者にも簡単に操作できるように配慮した点が特徴。また,大手ポータルサイト「LYCOS」と協力し,誰にでも閲覧しやすいWebコンテンツを広めることを目的とした「ITry Project」の開始も併せて発表された。

 本体色を黒に変更したAptiva Eシリーズは,各種ディスプレイとの組み合わせによって5つのモデルが用意されている(PC単体モデル含む)。PC本体のスペックは,基本的に同一。CPUがCeleron/766MHzにパワーアップしたほか,インターネット接続用に56Kbpsモデムとイーサネットポートを標準で装備している。また,ディスプレイには,新たに縦長表示が可能な回転式の15型TFT液晶も加えられ,通常の15型TFT,15型CRT,17型CRTの4種類から選択することが可能になった。


新型のAptiva Eシリーズ。シニアにも使いやすいという割に,電源ボタンなどのサイズは従来と大差ない。本体デザインにも目を向けてほしかったところ

 主な仕様と価格は以下の通り。2月1日より販売される予定だ。

Aptiva Eシリーズ7EJファミリー共通スペック
CPUCeleron/766MHz
メモリ64Mバイト
HDD60Gバイト
ドライブCD-R/RW
モデム56Kbps
OSWindows Me

製品型番IBM通販価格
ディスプレイなし2197-7EJ13万9800円
15型CRTモデル2197-7E515万9800円
17型CRTモデル2197-7E716万9800円
15型TFTモデル2197-7ET22万9800円
回転式15型TFTモデル2197-7ER23万9800円

ITry Kitとは?

 新しいAptiva Eシリーズの特徴は,ハードウェアよりも搭載されるソフトウェアにある。まず,大手プリンタメーカーのエプソン,キヤノン,HPとの協業により,プリンタのセットアップを簡単にするユーティリティ「ドライバ自動インストール・システム」を導入。PCとプリンタを接続すれば,CD-ROMなどを用いることなく,ドライバが自動的にインストールされるようになった。IBMでは今後,ほかのプリンタメーカーとも協業を進めていく構えだ。

 今回の目玉となるITry Kitは,「高齢者やパソコン初心者にお薦めしたい,パソコンを“優しく”“易しく”するツール」(IBM)だ。例えば,デスクトップ上にあるアイコンをクリックするだけで,すべてのアイコン表示が大きくなる。また,ダブルクリックが必要な操作をシングルクリックで行えるようになるといった機能もある。同社の調査によると,高齢者ユーザーの70%以上が「ダブルクリックは難しい」「出荷時の文字サイズは見づらい」と指摘しているという。

 「ITry Kitでは,デザイン,アイコン,文字サイズ,キーボードの入力待ち時間など,23種のパラメータを変更できる。また,家族で使う場合などを想定し,簡単に元に戻るようにも設計している」(日本IBMの堀田一芙常務)。

 文字やアイコンのサイズは,「大」「特大」の2種類が設定されており,文字(標準で32ポイント)は,「大」で58ポイント,「特大」で62ポイントに変更される。「解像度を落としてもアイコンは大きくなるが,ITry Kitでは解像度はそのままで,アイコンや文字を大きくすることが可能だ。その分,文字は見やすく,アイコンも綺麗になる」(IBM)。

 もっとも,これらのパラメータは,すべてWindowsの標準で設定できるもの。ITry Kitは,操作性に関連するパラメータを一括変換するためのユーティリティといえる。また,標準パラメータを利用していることによる限界もある。例えば,「Internet Explorer」では,メニューバーの文字こそ拡大されるものの,エラー表示などの文字は小さいまま。これを大きくするには,アプリケーションベンダーの協力が不可欠だという。

ITry Projectを推進

 IBMはLYCOSとの協業により,Webコンテンツの表示を改善する試みを始めた。LYCOSは同日,シニア向けに大型の文字やナビゲーションボタンを用いた専用コンテンツ「LYCOSシニア」を開始したが,3月1日にはIBMのWebトランスコーディング技術を用いた閲覧実験も始める。Webトランスコーディングは,同社の東京基礎研究所で開発が進められているもので,閲覧者の好みに応じてWebページの文字を大きくしたり,レイアウトを変更したりといったことを可能にする。ユーザープロファイルを参照し,サーバ側で最適化した画面を生成する技術だ。


Webトランスコーディング技術により,これが……


こうなる

 IBMでは,サーバ側での対応が求められる技術に関して技術情報を開示し,ITry Projectのパートナーを募集する。また,将来的にはWebコンテンツの音声読み上げ機能なども追加していく予定だ。

ITry Projectのスケジュール
 PCコンテンツ,ソフトサーバ技術
現在ITry Kitの提供シニア向けコンテンツ開始Webトランスコーディング技術の実験スタート
将来機能改良,対応機種拡大,PCへの同梱などパートナー募集,技術情報の提供Webトランスコーディング技術の実用化,音声読み上げ機能など新技術の組み込み

関連リンク
▼ 日本アイ・ビー・エム
▼ LYCOS

[芹澤隆徳, ITmedia]

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