News 2001年3月2日 11:59 PM 更新

“つながらない”で困った日

 海外出張を終え,成田からの戻り道,あまりにも不安定なDDIポケットの回線に,ちょっとがっかりしてしまった。これで「H"」を称するのはなあと,ちょっと不満。

 いつもなら,向こうのホテルを出るときに,メールのiモードへの転送を仕掛けてくるので,着陸後,携帯電話の電源を入れれば,メールのおおまかなチェックはできるのだが,今回は,あわただしくて,それをすることができなかった。

 飛行機が成田空港に着き,再入国の手続きを終え,受取所のベルトコンベアから出てくる荷物を待つためにベンチに腰かける。ここで,メールのチェックができればいいのだが,荷物の受け取りエリアはDDIポケットの圏外だ。

 税関を出て,正面のカウンターで,新宿行き成田エクスプレスのチケットを買い,地下のホームに降りる。停車中の電車の中では十分に電波は行き届いているのだが,今回はタイミング悪く(というか,タイミングよく),乗り込んだらすぐの発車だった。

 新宿に向かう成田エクスプレスの中で何度か接続をチャレンジしてみるが,つながっては切れを繰り返し,結局,安定した接続が得られたのは,東京駅地下ホームを過ぎて,線路が地上に出るあたりだった。

 ちなみに,ぼくの使っている端末は,「c@rd-H"64(Two LINK DATA)MC-P210/TD」で,通話相手が3カ所に限定されるが,月額使用料は980円という廉価サービス用のものだ。データ通信専用なので,相手先は3カ所もあれば十分で,ぼくは,某プロバイダの東京アクセスポイント,某プロバイダのDAL全国共通アクセスポイント,そして,DDIポケットのインターネット接続サービス「PRIN」を登録してある。

 このカード端末と,DDIポケットの名誉のために書いておけば,つながるところでは,本当に便利につながるのだ。カード型の端末ということで,ケーブルで接続する必要もなく,手間もかからない。特に都心では不自由したことがない。今年の冬は,信州の志賀高原や北海道のルスツリゾートなどにでかけたが,そこでも大活躍だった。でも,勘所をちょっとはずれてしまうと,このありさまだ。

悪いことは続いて起こる

 そもそも,iモードへの転送をセットできなかったのには理由がある。ホテルを出て空港に向かい,途中,レンタカーを返したあとに,カウンターでチェックイン,飛行機の出発を待つ。そのあとは,航空会社のラウンジで時間を過ごすのが常だ。

 最近,新しくなったサンフランシスコの国際空港は,今までとちょっと勝手が違い,搭乗ゲートそばには,ぼくが利用するノースウェスト航空のラウンジがなくなってしまった。

 代替ラウンジとして,ブリティッシュエアウェイのラウンジが使えるので,そこのワーキングスペースで,インターネットにつなごうとしたのだ。

 過去に米国出張で愛用していたAT&Tワールドネットサービスでは,今年の頭から米国内のフリーダイヤルが使えなくなったので,最近はso-netのサービスを利用しているが,今回は,なぜか,そのフリーダイヤルにうまくつながらなかった。電話がつながっても,キャリアが聞こえないのだ。今,試しにダイヤルしたら,ちゃんとつながるので,原因はよく分からない。

 ワーキングスペースの電話機の隣には,DSLモデムらしきものもあって,イーサネットのケーブルが出ていた。フロントでマニュアルがないかどうか訊ねてみたが,何もないし,使い方も分からないという。試しに自分のノートパソコンのネットワークインタフェースにつないでみたら,とりあえず,DHCPでIPアドレスは受け取るようだが,PINGを打っても外には出れないようだ。どうやらなんらかの認証が必要のようだが,インストラクションが分からないのでお手上げだ。

 そんなことをしているうちに,出発の時間がやってきた。

 今回の出張では,so-netのローミング用アクセスポイントであるXOコミュニケーションズ社のアクセスポイントに,いったんは接続したものの,一部のネットワークに到達できないというトラブルに見舞われた。そこで,もうひとつのローミング方法であるGRICコミュニケーション社のアクセスポイントの電話番号を調べようとしたら,そこにも到達不可能で往生した。同行の知り合いから電話番号を聞いて事なきを得たが,実に困った話だ。

 ともあれ,世界中どこでも気軽にインターネット接続というふうになるまでには,まだまだ道は長そうだ。インターネットが空気と同じくらいに身近なインフラになる日は,いつになったら来るんだろうか。

[山田祥平, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.