News 2001年3月6日 11:58 PM 更新

「大戦略」を切り離し,ASP事業を進めるシステムソフト

システムソフトは,ゲームやパッケージソフトの販売を切り離し,開発会社としての体質を強化する。

 シミュレーションゲームの「大戦略」やAdobe製品の販売で知られるシステムソフトが,リソースの集中と経営の効率化を骨子とする新しい事業戦略を発表した。3月1日付けで旧ナスビイと合併した同社は,ゲームやパッケージソフトの販売から手を引き,開発会社としての体質を強化,ネットワークソリューション事業とASP事業に注力する。

 新事業戦略の一環として,同社は電子辞書のパッケージ販売をロゴヴィスタに一任し,自らは開発元として事業を再構築する構えだ。また,ゲーム開発事業は関連会社のアルファショックに移管。ゲーム開発子会社であったシステムソフトプロダクションの営業権をアルファショックに売却するとともに,保有していたアルファショック株も同社社長へ売却する。さらに,パッケージソフト開発のキューソフトについても,親会社のカテナに移管することで切り離す。これらの結果,システムソフトは約7億5500万円のキャッシュを手にすることになり,今期の最終利益見通しは大幅に好転している。

 4月1日付けで社長に就任する伊藤光邦氏によると,今後は過去20年間に渡って手掛けてきたネットワークサービスと,それを拡張したASPサービスに注力し,2005年までに100億円の売り上げを目指すという。具体的には,福岡本社にNOC機能を構築する一方,各地に拠点を設けて全国展開を図る。既に実績のある家庭保育園コミュニティシステムや市町村防災情報システムなど提案型のソリューションサービスに加え,iモード端末へのプロ野球速報配信サービスの強化,IMT-2000対応などを推し進める構えだ。さらに,同社の持つXML技術やMPEG-4配信システムを取り込み,ブロードバンド時代のASP事業を推進する。

「ナスビイとの合併により,多くの優秀な技術者が合流した。ソリューション開発会社として拡大すれば,5年後に売り上げ100億円という目標は難しいことではない」(伊藤氏)。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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