News 2001年3月7日 11:34 PM 更新

DVD-RAMを追うDVD+RW,実機による初のデモンストレーション

DVD-RAMやDVD-RWのライバルとなるDVD-ReWritable(DVD+RW)がようやく動きだしそうだ。

 リコー,ソニー,ヤマハ,三菱化成,米Hewlett-Packard(HP),仏Thomson Multimedia,蘭Philipsの7社共同による日本初のDVD+ReWritable(DVD+RW)プレスセッションが開催された。製品が出荷されるといわれながら,既に2年近く経過してしまったDVD+RWだが,今回は実機によるデモも行われ,今度こそ製品化が間近であることを予想させた。

デモの様子。松下製のDVDプレーヤーでDVD+RWメディアを再生してみせた

互換性の高さを武器にするDVD+ReWritable

 講演からデモンストレーションまで一貫して強調されたのは,DVD+RWの高い互換性。メディアは,既存のDVD-ROMドライブやDVDプレーヤーの多くで読み出すことができるという。具体的な数字は一切公表されなかったが,DVD+RWメディアを読み出せないのは初期のDVD-ROM,DVDプレーヤーに限定されるようだ。

DVD+RWは,商品化で先行するDVD-RAM(PC用および民生用),DVD-RW(民生用)と同様,相変化記録を用いる。しかしDVD+RWは物理フォーマット,論理フォーマットともにROMメディアとほぼ同じ構造になっており,異なるのは物理的な記録方式だけ。DVD-RWもROMメディアと高い互換性を確保しているものの,DVD+RWはアドレス情報を保持するウォブルの構造を工夫することで,ランダムアクセスにより強く,大容量ストレージとして使用したときにアドバンテージを持つという。

実用段階であることを見せつけたデモンストレーション

日本初となった実機によるデモンストレーションも互換性の高さを強調するものであった。準備された機材は,PCに内蔵されたDVD+RWドライブと民生用のDVD+RWレコーダー。両製品とも,既にしっかりとパッケージされたものであり,いつでも製品化できそうだ。 デモンストレーションでは,DVD+RW非対応であるDVD-ROMドライブ,DVDプレーヤーも利用された。PCではオーサリングソフトを用いてDVD+RWメディアにDVDディスク形式で映像を記録。同様にDVDレコーダーでもDVDディスク形式で映像を記録し,それぞれのメディアをDVD-ROMドライブおよびDVDプレーヤーで再生してみせた。とくに,準備されたDVDプレーヤーの1台はDVD-RAM陣営である松下電器産業製だ。PCと民生機の枠を超え,DVD+RWの互換性の高さを印象付ける形になった。 製品化の時期など,具体的なことは一切発表されなかったものの,メディアに関しては,「競合製品に対して十分な競争力を持てる価格設定をする」というコメントを得た。現状では,先行するDVD-RAMの普及も今ひとつ進んでおらず,DVD-RWのドライブは民生機もしくは業務用のみ。ROMメディアとの高い互換性を持つDVD+RWが早期に製品化されれば,書換え型DVDメディアの本命にのし上る可能性も否定できない。

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[坪山博貴, ITmedia]

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