News 2001年3月9日 09:57 PM 更新

わが家のブロードバンド化計画(1)──やってこないハズのADSLがやってきた

光収容マンションにADSL回線を引いた,ちょっと特殊なケースのお話。ADSL導入に関する出来事とTipsを紹介する週刊連載,第1回目。

 すっかり諦めかけていたブロードバンドが,わが家にもやってきた。2000年竣工の大規模光収容マンションでの話である。なぜ,そんなマンションでメタルラインを使えているのか? という疑問が当然わいてくるだろうが,その話は少し後回しにするとして,わが家にブロードバンドやってくるまで,やってきてからの,さまざまな出来事と,それらにまつわるTipsなどを書いていきたいと思う。

 週刊連載第1回目。なぜ「フレッツ・ADSL」を選んだのか。

ADSLがやってこない

 光収容マンションに住んでいる多くの人がそうであるように,僕も初めは“DSLなんて無関係だ”と,少々すねながら冷めた目で見ていた。しかし,とある事情からわが家にはメタルラインが引かれたのだ。

 このあたりの事情は少々複雑で,いらぬ誤解(あるいは期待)を与えることにもなりかねないため,次回以降に詳しく紹介したい。ともかく,完全光収容のマンションながらメタルラインを確保したのである。幸い,東京めたりっく通信のサービスエリアに入っていたため,昨年の11月にWebページから申し込みを行った。

 ところが,ご多分に漏れず,机上調査が全く進まない。わが家の場合,引き込まれたメタルラインは「OCNエコノミー」のアクセスラインとして使用していたのだが,これの廃止とADSL専用(タイプ2)回線への切り替えということで申し込んでいた。しかし,こうした変更を行う人はほとんどいないと見える。なにしろ,受付の時点で理解してもらえていないのだ。

 申込みから1カ月,しびれを切らして東京めたりっく通信のサポートに電話をしてみると「OCNアクセスラインはADSL用のType 2回線として使うことはできません」との回答だ。賢明な方なら,この回答がいかに意味のないものかお分かりだろう。OCNアクセスラインはサービス名称であって,物理的な回線の形態を表しているわけではない。一方,ADSL用のType 2回線とは,物理的な回線を示す。

 分かりやすくいうと,わが家のOCNアクセスラインはドライカッパーライン(NTTから借りた銅線)上で128KbpsのHSD(High Speed Digital)サービスを受けていただけであり,HSDサービスを廃止すれば,それはドライカッパーラインであり,ADSLをその上で提供できるはずなのだ。

 こうした頓珍漢な問答を毎日繰り返すうち,仕事も忙しくなり,さらには年末年始に突入。ADSLがやってこないうちに新世紀を迎えることとなった。

素早かったNTT東日本の対応

 僕はできることなら,NTT以外のADSL接続サービスを選びたいと考えていた。昨年繰り広げられたNTTとADSLにまつわるさまざまな話は,とりあえずここでは関係ない。ただ,同程度のサービスを提供できるならば,可能な限り競争のある市場を作り出してくれそうなベンチャーを応援しようという気持ちがあったのだ。しかし,申し込みの受付すら行われない状態では,今後東京めたりっく通信の回線導入には大きな進展も期待できない。

 そこで対応を比較する上でも,NTT東日本のフレッツ・ADSLを申し込んでみようと考えたわけだ。申し込む時点では,果たして地域IP網経由でパフォーマンスが出るのか? といった心配もあったのだが,まぁダメでもともと。並行して東京めたりっく通信との交渉も続けてみようと考えていたわけだ。

 年明け早々,わが家のOCNエコノミー導入時にお世話になったNTT東日本外商部の方にメールで連絡を取ってみた。わが家のOCNは1997年の早い時期から導入しており,当時は珍しさもあってか,きちんと担当営業がついての導入だったのである。

 すると,僕の回線が収容される電話局(練馬北町局)でフレッツ・ADSLの申し込み受付が開始されるのが2月21日であること,回線の切り替えに際しては(光収容マンションであるため)特殊な事情を説明し,メタルラインが利用できることをキチンとネゴシエーションしてくれる,という情報を,2〜3日のうちに素早く提示してくれたのだ。

 周りからは「なぜNTTにしたの?」と聞かれることもあるが,その答えは明白だ。対応のレスポンスが全く異なったからである。進捗が全く見えない事業者と,逐次有用な情報を流してくれる事業者であれば,誰もが後者を選ぶだろう。

 僕の事例は極端なものかもしれないが,こうした事例をほかでも聞くにつれ,僕の中での東京めたりっく通信への不信感は少しずつ大きくなってしまった。願わくは接続事業者を自由に選んで切り替えられるようになってほしいものだが,今少し様子を見なければいかないか,という慎重な気持ちが強くなってきた。

これは速い! では終わらなかった

 正式なフレッツ・ADSLの申し込み後(申し込み処理も前述の外商部の方が率先して行ってくれた),素早く工事の日程も決まり,つい先日(3月7日)に開通までこぎ着けることができた。読者の中には「記事にするから,すぐに引けと言ったのでは?」と疑う人もいるかもしれない(実際,もう開通したよと話したら,職権乱用したんじゃないの? と言われたことがある)が,そうした話は全くしていない。

 そうした不公平なやり方をしようと思えば,東京めたりっく通信にも何らかのアクションも行えたかも知れないが,それでは正しい評価などできない。わが家においてのADSL導入は,もちろん個人的なインターネット環境の改善も目的ではあるが,もう1つ,導入までの経緯を経験することで,それを記事にしたいという目的もあったからだ。また,これだけADSL申し込みが殺到し,処理が滞っている中で「プレス特権」かざしたところで,大きな効果があるとは僕には思えない。そんなものは使わない方が,結果的にいい場合が多いのだ。

 と,話がヨソの方向に向かい始めたが,ともかく開通である。ちなみにわが家の場合,ADSLモデムはレンタル,宅内工事は自分で行った。モデムをレンタルした理由は,まだ買い取るには時期尚早と思ったからだ。フレッツ・ADSLはG.lite Annex Cに基づくサービスだが,フルレート(G.dmt)のサービスが後から追加されるかもしれない。そのとき買い換えるぐらいなら,とりあえずレンタルにしようと考えたわけだ(モデムの料金はモデムレンタル料の50カ月ほど)。

 開通後,さっそくPPPoEクライアント(フレッツ接続ツール)を起動し,「フレッツスクエア」に接続,速度の計測を行ってみた(フレッツスクエアは,NTT東日本が地域IP網内に設置しているサイト。網内のため,かなり正確に計測できる)。結果は下り約1.2Mbpsと良好だ。ISPに接続し,アップロード速度も測ってみたところ,どうやら400Kbps以上のスループットは出ているようだ。

 リンク速度が保証されないADSLだけに,つながるまでは少々心配だったのだが,ひとまず安心。わが家のLAN環境に合わせて,ネットワークを構成し直すことにしたのだが,速いばかりでは終わらなかった。

 どうも時間が経過するにつれ,速度が低下しているような気がしてならなかったのだ。モデムの電源を入れ直すと,一時的には速くなる。しかし,そのうち速度が衰えてしまうのである。最初はISPの速度に問題があるのか? とも考えたが,フレッツスクエアの速度テスト結果が悪くなっているため,物理的なリンク速度が低下しているものと思われる。

 上限値で800Kbps,酷いときには400Kbps程度にまで落ちることもある。原因としては,ISDNの漏話などによる干渉が考えられるだろう。実はNTT側から,ADSL開通に際して同一カッド(カッドとは2対の電話線をまとめたもの。カッド内で2対の電話線をツイストさせることでノイズをうち消している)に収容されている回線がISDNであると聞かされていたからだ。さらにわが家のある建物に接続された10対の回線すべてがISDNというから,つながっただけでもラッキーなのかもしれない。

 速度低下に関しては,もう少し様子を見てからNTT東日本に報告し,場合によっては線番変更を願い出ようと考えている。しかし,なぜ同一カッドにISDNなのか? このあたりの事情については,次週お伝えすることにしよう。

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[本田雅一, ITmedia]

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