News | 2001年3月13日 10:28 PM 更新 |
NTTデータと野村総合研究所は3月12日,利用者が個別に登録しているオンラインバンキングならびにオンライントレーディングといった金融サービスのID/パスワードを一括管理し,情報収集を代行するサービスを開始すると発表した。これは,「アグリゲーションサービス」と呼ばれるもので,米金融機関の間では利用者の利便性向上などを目的に積極的に導入されるようになっている。
両社では,6月より試験サービスを開始し,9月より本サービスへと移行する。なお両社は本サービス開始までに,アグリゲーションサービスを運営する新会社を設立する方針だ。ただし資本金などの詳細は未定。
NTTデータ情報ネットワークビジネス本部の吉田淳一氏は,「オンラインバンキングや,オンライントレーディングなどで複数のサービスを利用するようになると,どうしてもID/パスワードの管理が頻雑になる。アグリゲーションサービスの必要性は高まっている」とアピールする。
NTTデータとNRIでは,ユーザーが使用しているID/パスワードを一括管理するアグリゲーションセンターを設置。同センターが,ユーザーと金融機関を繋ぐインタフェースとなる。また,アグリゲーションセンターにアクセスするほかに,金融機関がユーザーの窓口になる場合もある。例えば,あさひ銀行のWebサイトでアグリゲーションサービス用のID/パスワードを入力して,設定したそのほかの銀行や証券会社の取引状況も確認できるようになるという。なお,センターでは,米国でアグリゲーションサービスプロバイダーとして実績のある724 Solutionsのソフトを導入する予定だ。
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724 Solutionsのサービス画面。取得した取引情報はカスタマイズしてから一覧表示される |
ただ残念ながら,NTTデータとNRIのアグリゲーションサービスは,あくまでデータを一覧表示するだけのもので,その画面から取引を開始することはできない。これについて吉田氏は,「将来的には,取引まで含めたサービスを提供する予定だ。例えば,クレジットカードの明細を見ながら引き落とし口座に現金を移すことも可能になるだろう」と話す。
また,サービスの利用にあたっては現在使用中のID/パスワードをアグリゲーションセンターに登録する必要がある。NTTデータでは,「そうした重要な情報を提供することに抵抗を覚える人がいるかもしれない」との懸念を示しながらも,「センターが個人情報を第三者に提供することはない」と強調した。
サービス賛同企業・省庁は以下の通り。当面は金融機関のみとなるが,NTTデータとNRIではアグリゲーションサービスの対象として,航空会社のマイレージサービスなども組み入れたいとしている。
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