News 2001年3月27日 02:30 PM 更新

Gates氏,WinHECで「Windows XP」のβ2披露

Windows XPはユーザーがPCでどのような体験ができるかにフォーカスした製品。Windows XPは今回の第2ベータ版で機能を固め,スケジュール通りに進めば日本語版も年末商戦を取りこぼすことはなさそうだ。

 米カリフォルニア州のアナハイムカンファレンスセンターで開催中のWindowsハードウェア技術会議(WinHEC)で3月26日,MicrosoftのBill Gates氏は,23日に完成したばかりの

WinHECで基調講演を行うMicrosoftのBill Gates会長
「Windows XP」のベータ2を披露。27日に来場者全員に同ベータ版のCDを配布することを約束した。

 ベータ2はWindows XPの最終ベータ版となり,今後,リリース候補版の開発へと進んでいく。ベータ2の配布は今週中にも開始され,MSDN,TechNetといったプログラム参加者へと届けられる予定だ。また,Microsoftは一般ユーザーが申し込むことのできる,Windows XPの広範なベータテストプログラムも計画している。

 Gates氏は文字ベースのユーザーインタフェースからグラフィカルユーザーインタフェース(GUI),インターネット対応と,必要とされるソフトウェアのテーマが変化してきたことを振り返り,MS-DOSからWindows,そしてInternet ExplorerやInternet Infomation ServerによるWindowsの拡張へと,Microsoftのフォーカスするソフトウェアも変わってきたと語った。

 そして今,Microsoftは「XML」と「PC-Plus」にフォーカスしているという。PC-Plusとは,PCだけでなく,さまざまなPCと連携できるデバイスのことを指す。Pocket PCなどのPCコンパニオンやデジタル音楽プレーヤーなどと組み合わせてアプリケーションを利用する,新しい使い方が当たり前になりつつある。そして,それに対応するソフトウェア環境が「.NET」だとする。

 Gates氏によると,現在のPC技術が応えることのできるさまざまなアプリケーションは,ユーザーニーズ全体のごく一部,氷山の一角でしかない。Windows XPは,新たにフォーカスした.NETに向け,より多くのデバイスを扱え,また誰もが触れることのできるものにした。

 「Windows XPは,信頼性とパフォーマンスを兼ね備えた新しいWindowsのエンジンを採用し,ユーザーがPCでどのような体験ができるかにフォーカスした製品だ。これまでは経験がなければ,何かをすることができなかった。しかし,これからは経験がなくともできるようになる。また,目的指向でシンプルな操作性も実現させた」(Gates氏)


Windows XPの今後のスケジュールを語るBrian Valentine上級副社長

 Windows XPは,Windows 2000に新しいユーザーインタフェースを載せたものとも言える(実際には細かいさまざまな改良が行われている)。だがWindows Meにおいてはいささか中途半端だった,ユーザーを目的へと誘うユーザーインタフェースが,Windows XPではかなり実用的なものへと進化している。

 もっとも,Microsoftが言うところの「ユーザー体験」の改善も重要だが,これまでWindows 2000を使えなかった人たちが,Windows 2000ベースの当たり前に安定したOSを利用できるようになることは喜ばしいことだ。

 Microsoft上級副社長のBrian Valentine氏によると,Windows XPは今回のベータ2で機能が固定され,信頼性,互換性,既存システムのアップグレード,パフォーマンスチューニングと全体の細かな調整を行う段階に入るという。今後の予定としては,6月前半にリリース候補第1版を完成させ,第3四半期の早い段階で製造工程へと向かう。

 第4四半期,すなわちクリスマスシーズンには正式版が入手可能になる。これは英語版の予定だが,スケジュール通りに進めば日本語版も年末商戦を取りこぼすことはなさそうだ。

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[本田雅一, ITmedia]

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