News 2001年4月2日 06:24 PM 更新

ついに正式発表された「Office XP」

マイクロソフトが新オフィススイート「Office XP」日本語版を発表した。価格は「Office XP Professional」が6万9800円,「同Standard」が5万7800円など。アップグレードパスも用意される。

 4月2日,マイクロソフトの新オフィススイート「Office XP」の日本語版が発表された。「Office 2000」以来,約2年ぶりの更新となる。「エンドユーザー,グループ作業,企業ソリューション,それぞれの分野で顧客から要望として挙げられたトップ10項目すべてに対応した」(マイクロソフト)という新版は,今年第2四半期,つまり今四半期中にリリースされる予定だ。

 価格は,「Office XP Professional」が6万9800円(アップグレードライセンスは3万7800円),「同Standard」が5万7800円(2万8000円),「同Personal」が4万4800円(2万1800円)など。また,本日からOfficeのWebサイトでプレリリース版を2002人にプレゼントする特別提供プログラムの募集を開始。4月2日から10日まで,同社Webサイトから申し込みを行ったユーザーの中から,抽選で動作期間限定版のOffice XPのCD-ROM(全要素を含む6枚組)とドキュメントのセットを無償提供する。

 マイクロソフトエンタープライズソリューション本部長の瀬戸口静美氏は,発表会の席でオフィスの過去を振り返ったあと,「Office XPは,エンドユーザーのツールとして使いやすさ,チームとしてのコラボレーションの効率化,企業内のビジネスニーズに柔軟に対応できること,の3点それぞれに力を入れた製品」と自信を見せた。

多彩な製品ラインアップ

 今回からOfficeのパッケージに「PhotoDraw」および「Publisher」が含まれなくなったが,「IntelliMouse Optical」とPublisherを「Office XP Professional with FrontPage」に同梱した「Office XP Professional Special Edition」をアップグレードパッケージのみに用意した。価格は,FrontPageとSharePointを同梱しないOffice XP Professionalよりも4000円高の設定。

 店頭に並ぶパッケージとしてはOffice XP Professional,Standard,Personalが用意され,FrontPageとSharePointを利用できる「Office XP Professional with FrontPage」はライセンス提供のみとなる。詳細はを参照していただきたい。

 アップグレードライセンスに関しては,Office 97以降の製品に対して行われる。ただし,Officeライセンスを持つユーザーに対してはOfficeのみ,個別の製品ライセンス所有者には,そのアプリケーションの最新版にのみアップグレード可能だ。クロスアップグレードは用意されない。詳細は,マイクロソフトのWebサイトを参照してほしい。

 なお,今回からWindows 95のサポートがうち切られ,Windows 98,98SE,Me,2000,NT 4.0のみが動作保証対象になっている。

MPAでライセンス管理を厳密に

 機能面でさまざまな改善が行われているOffice XPだが,もう1つ大きな変更点がある。ライセンス管理を厳密に行う「Microsoft Product Activation」(MPA)の導入だ。MPAは米国や中国など7カ国ではOffice 2000 SR-1から試験導入されていたが,日本ではOffice XPと今秋出荷予定のWindows XPから導入となる。これはインターネット,もしくは電話で導入しようとしているプロダクトキーを確認する仕組み。プロダクトキーごとにインストールしたPCの数を管理できるため,不正利用に関して厳密な管理を行うことが可能になる(プリインストールされているOfficeは,あらかじめアクティベーションが行われた状態で出荷される)。


アクティベーションを行うライセンス認証ウィザードの画面

 Officeのユーザーライセンスは,それを利用する1台のPCと,同じユーザーが利用する携帯用PCにインストールできることになっている。このため,同じプロダクトキーで2台までは正規ユーザーがアクティベーションを行うことが可能だ。認証はPCの構成を元に作り出す1台のPCに対してユニークなIDを元に行うため,同じPCであれば再インストール時に何度でもアクティベートが可能だ。

 ただし,ハードウェア構成によってIDが変わることになり,マザーボード交換などを行うと異なるPCになってしまう。その場合は,電話によるアクティベートで理由を伝えれば,コードを受け取ることが可能だという。電話によるアクティベートは年中無休24時間で対応する。

 なお,企業向けのボリュームライセンスでは,アクティベートを必要としない特別なCDを作成可能になるため,1台ごとにアクティベートを行う必要はない(その場合,企業の管理者がライセンス数を管理することになるが,それぞれのインストールCDにはユニークな番号が振られる)。

 また,冒頭で紹介したOffice XPプレリリース版特別提供プログラムのユーザーに対し,チームコラボレーション機能を備えたサーバアプリケーションSharePointのホスティングサービスをグローバルメディアオンラインが無料で提供する。製品版リリース後に関しては未定だが,マイクロソフトオフィス製品部マネジャーの横井伸好氏によると,「ホスティングサービスの実施に向け,最終的な詰めを行っている段階」という。

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[本田雅一, ITmedia]

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