News 2001年4月13日 08:33 PM 更新

NTTとTBS,NABでHDTVの国際中継実験を実施

4月23日に開幕する「NAB2001」(全米放送事業者協会大会)では,NTTグループと東京放送によるハイビジョン映像の国際多重化伝送実験が行われる。

 NTTグループと東京放送(TBS)は,米ラスベガスで4月23日に開幕する「NAB2001」(全米放送事業者協会大会)において,ブロードバンドネットワークを利用したハイビジョン映像の国際多重化伝送実験を行う。有線による伝送は,従来の衛星中継に比べて「天候に左右されず,遅延がない」(TBS)といったメリットがあり,また将来的に初期コストが抑えられると期待されている。

 「HD-WAVExp」と名付けられた今回の実験では,ラスベガス・コンベンション・センターと赤坂のTBSを,NTTコミュニケーションズのATMサービスで結び,MPEG-2圧縮されたHDTV映像の双方向伝送を行う。国際回線は上り/下りとも45Mbpsを確保しており,IP over ATMとセル(53バイトのパケット:ATMは,これを非同期で転送する技術)の両方で1080i/25MbpsのHDTV動画を伝送するという。

 また同時に,渋谷に設置した無人HDTVカメラをラスベガスから遠隔制御する実験や,NTTサイバーコミュニケーション総合研究所の開発によるMPEG-2エンコーダを内蔵したHDTVカメラのデモンストレーションも行われる予定。富士山麓のHDTV中継車とTBSをデジタルSNG(衛星中継)で繋ぎ,それぞれの映像をラスベガスとの間で多段中継する。実験の概要はの通り。

 TBSとNTTグループは,昨年の「NAB2000」でも日米間のHDTV伝送実験を実施しているが,今回はカメラやHD-TSブリッジ技術(HD-TS信号をIP変換する)などの周辺環境までを整え,より実用的な実験となっている。

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