News 2001年4月18日 09:44 PM 更新

コンテンツ重視のニフティ,iモードやFOMAにも参入へ

「Webパワー」を確信したニフティは,さらなる集客力と媒体価値の向上を目指して新しいインフラへの対応を進める。年度内に100タイトルのブロードバンド向けコンテンツを用意するほか,iモードをはじめとする移動体通信分野にも積極的だ。

 ニフティは4月18日,報道関係者に向けた事業方針説明会を行い,2000年度の実績と2001年度の見通しを発表した。その中で同社は,iモードをはじめとする移動体通信やブロードバンドインフラに向けたコンテンツに注力する方針を明らかにしている。iモードは,2003年のオープン化を目指してようやく動き出したが,「なるべく早く開放してもらいたい」(同社土肥健一取締役)と積極的だ。ただし,FOMAに関しては「仕様がまだ分からない」として,コンテンツ提供の“意思表示”に止まっている。

 ニフティの宮坂修史社長室長によると,同社は2000年度に月平均7万5000人というハイペースで新規会員を獲得しており,特に「9月以降は10万人ペースで推移した」という。2001年3月末時点での会員数は2315万人。このうち,@niftyの会員は約460万人であり,残る1855万人は,米EarthLinkをはじめとするグローバルアライアンスで獲得した会員だ。一方,売上高は,前年比23%増となる604億円となった。

 こうした数字からも同社の好調さは伺えるが,中でも注目はWebコンテンツの充実ぶりだ。個人ホームページの開設者は20万人を超え(4月12日現在),eコマースの店舗は3月末で537店となった。2000年下期にはオリジナルコンテンツの大幅な拡充も行い,新たに「Keiba@nifty」「デジタルAV@nifty」など12チャンネルを設置している。現在のチャンネル総数は21。「メディアメトリックスのユニークビジター数調査(2001年2月度)によると,単月で1054万人が訪問した。これは,yahoo!に次いで国内2位となる数字だ」(同社)。

新しいインフラを活用

 「Webパワー」を確信したニフティは,さらなる集客力と媒体価値の向上を目指す。ユニークビジターの増加は,店舗などパートナーの販売機会増大や広告収入の増加に繋がり,ひいてはインターネット接続事業以外のサービスビジネスを拡大させる。ニフティでは,全売上に占めるサービスビジネスの割合を,2003年までに30%まで引き上げ,全体のボリュームアップを狙うという。

 これに合わせて,特定インフラ向けのコンテンツ展開も加速させる。昨年末からADSLやCATVを利用した「ブロードバンド会員」の獲得に積極的な同社は,既存・新規のパートナーや独自制作の大容量コンテンツを提供すると同時に,課金システムや販売との連携を通じてサービスを拡充する。年内には,映画30本を含む100タイトルのブロードバンド向けコンテンツを用意する方針だ。

 さらに,iモードをはじめとするケータイ・インターネット市場がオープン化へと動き出したことを背景に,新しいサービスの開発を進める。「これまでのケータイコンテンツは出会い系などエンターテイメント面が強かったが,今後は位置情報システムなどと連携したビジネス用途の需要が拡大するだろう。iモードは,オープンになった段階でいち早く対応する。FOMAに関しても参入する方針だ」(同社)。ただし,iモードの開放は「大歓迎」としつつ,実施時期の遅さや課金システムの公平性などに疑問を投げかける慎重さも見せていた。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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