News 2001年4月20日 09:00 PM 更新

無印カーは日産製

良品計画の「MUJI.net」でユーザーからの意見を募集していた「MUJI+Car 1000」が発表された。ちょっと懐かしくて実用的なコンパクトカー。1台93万円ナリ。

 良品計画の「MUJI+Car 1000」が発表された。MUJI+Car は,同社のWebサイト「MUJI.net」で「簡素で便利なクルマ。」というコンセプトのみが掲載され,ユーザーから意見を募集していたもの。若い女性を中心にシンプルなデザインで人気のある無印良品だけに,注目度は高かったようだ。

 20日の午前10時,その詳細がWebに掲載されたのだが,途端に「非常に混み合っています」という案内とともに,ページが表示されなくなってしまった。2時間ほど待ってようやく画面が現れると,そこには軽自動車でもオープンカーでもない,地味なコンパクトカーの姿があった。

 もちろん,クルマ好きと独り暮らしの多い某編集部でもMUJI+Carは話題になっていた。MUJI.netに寄せられた意見のなかには「コンパクトなスポーツカー」や「化石燃料を使わない」といったかなり無茶な注文も多かったが,ここはそれ以上だ。

「メインターゲットは女の子だから,軽自動車かな」
「安いオープンカーでしょう」
「無印なら,幌はビニール製かも」
「ボディは木目とアルミで?」
「内装は段ボール……」

 そんなオープンカーはイヤだ。

 結論から言えば,MUJI+Carは,日産の「マーチcollet」をベースに,フロントマスクをオリジナルデザインに変更したものだった。デザイン自体にとくに目新しさはない。というよりも,アイボリーのボディカラーと,素材色むき出しのバンパーとドアミラーが,少し古めかしいイメージを醸し出している。こうしたバンパーは15年くらい前までの大衆車には当たり前だったもので,当時,バンパーに塗装が施されているクルマは「高級車」だったと思う。したがって,われわれの世代にはちょっと懐かしく,同時に,今となっては「ちょっとびんぼうくさい」印象もある。

 むしろ特徴的なのは,その中身だ。もともと5人乗りのコンパクトカーを「2シーター+自由に使えるリアスペース」として利用するという発想で,リアシートとラゲッジスペースはビニール製になっている。濡れたままの自転車などもそのまま放り込めるわけだ。シートは6:4で別々に折り畳めるので,収納力は高い。また,チャイルドシートを固定するためのアンカーが用意されていたり,外装からエンブレムの類がすべて省略されているあたりが,いかにも無印らしく,好感が持てる。「素材を生かす」「無駄を省く」というコンセプトは,モノがクルマであっても変わらないらしい。

 日産の技術者は,「もともとマーチは1990年代初頭に新しい時代の気分を先取りしていたクルマ。ベーシックであり,飾りに飾って特徴をだすのではなく“とっぱらいぎみ”にして特徴を出す。もともとMUJI性があった,といってもいいかもしれない」と述懐している。

 気になるお値段は,93万円だ。1000台限定生産で,4月20日にWebによる予約受付を開始する。5月10日までに申し込んだ人には,もれなくMUJI+Carのリアスペースにぴったりの「スチール14型折りたたみ自転車」(2万9800円)が付いてくる。ちょっと懐かしくて,安くて便利なクルマ,1台いかがでしょう?


それでも高価だという人には,こちらがおすすめ。muji.netには,MUJI+Car 1000のペーパークラフトダウンロードサービスがある。500KバイトほどのPDFをダウンロードしてプリントすれば,ミニチュアのMUJI+Carの出来上がり! さらに,豪華オプションとして「無印良品の店舗」も用意されているぞ

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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