News 2001年4月23日 10:01 PM 更新

インテル,Pentium 4の大バーゲン

Pentium 4/1.7GHzをボリュームゾーンへと浸透させるべく,インテルは戦略的な価格付けを行った。1000個ロット時の単価は,Blue Man Groupも真っ青の352ドルだ。

 4月23日に発表された1.7GHz版Pentium 4は,1000個ロット時の単価で352ドル(国内では4万2570円)という,戦略的な価格で出荷される。インテルのハイエンドチップが,発表当初からこのような低価格でリリースされるのは異例のこと。インテルによると,「Pentium 4をボリュームゾーンに普及させる」のが最大の目的だという。

 インテルが新しいチップを発表する際には,これまでなら,およそ800〜1000ドルのプライスタグが付けられていた。例えば,昨年3月8日にリリースされた「Pentium III/1GHz」は990ドル,同じく11月20日に登場した「Pentium 4/1.5GHz」は819ドルだ(いずれも発表時の価格)。Pentium 4発表時ですら,「アグレッシブな価格」と言われたが,今回のPentium 4/1.7GHzは,実にその半値以下となる。

 PCの場合,システム価格に占めるCPUのコストは,上位モデルになればなるほど高くなる。Pentium 4の低価格化は,PCのシステム価格にもそのまま反映されたようだ。

 例えばデルコンピュータの「Dimension 8100」の場合,Pentium 4/1.5GHz発表当時(2000年末)のハイエンドモデルは34万4800円だった(128Mバイトメモリ,40GバイトHDD,CD-R/RWドライブ,Geforce 2 Ultra,3ComのNIC,Windows 2000 Professional,17型CRT付属)。ところが今回,CPUをPentium 4/1.7GHzにして全く同じ構成で価格を算出すると,29万1800円となる。

競争を意識したものではない?

 インテルでは,今回の価格設定について「競争を意識したものではない」と言う。「チップの価格は,製造コストと需要で決まる。Pentium 4に関して言えば,歩留まりを含めて量産がうまく立ち上がったためであり,競合他社を意識した結果ではない。順調にクロックが向上しているのは,NetBurstアーキテクチャの恩恵だ」(インテル)。

 インテルがPentium 4で採用したNetBurstは,20ものステージを持つハイパーパイプライン・マイクロアーキテクチャ。歩留まりを上げやすい,またクロック周波数を向上させやすいという特徴がある反面,Pentium IIIのときほどクロックアップがパフォーマンスに反映されないと言われている。にもかかわらずクロック重視の道を選んだインテルだったが,今のところは同社の思惑通りに進んでいるようだ。

 インテルは,今年後半にも2GHz版のPentium 4を投入し,第4四半期には0.13μメートルプロセスへの移行を始める。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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