News 2001年5月10日 08:50 PM 更新

常時接続,適正料金は3700円?──NRI調査

NRIによると,ADSLなどの定額制常時接続サービスを導入したいという人は,インターネット利用者の7割に及ぶという。しかし,希望する料金の平均値は,「ISP込みで3700円」だ。

 野村総合研究所(NRI)は5月7日,自宅でインターネットを利用している人,または利用したい人のうち,7割がADSLなどの高速常時接続サービスを望んでいるという調査結果を発表した。また,希望する月々の利用料金は平均3700円となり,現在の料金水準とは隔たりがあることも分かった。

 この調査は,同社が半年ごとに実施している情報通信機器とサービスに関する利用実態調査の9回目。15歳から59歳までの男女2000人を全国から無作為抽出し,訪問放置方式で行われた。有効回答数は1410。

 調査結果によると,携帯電話や学校/職場での利用を含め,実に生活者の47.3%がインターネットを利用しているという。このうち,自宅のパソコンでインターネットを使う人の割合は,1年間で11.1ポイント増加して27.8%。CATVインターネットなどの常時接続回線に接続している人の割合も1割を超えた。

 こうした定額制常時接続は,「フレッツ・ISDN」やADSLなど新規サービスの広がりに伴い,認知度が向上してきたようだ。自宅でインターネットを「利用している」,または「利用したい」と答えた人のうち,69.5%が常時接続サービスを導入する意向を示している。速度的にはブロードバンドとはいえないものの,フレッツ・ISDNの利用意向が最も高く,28.5%。そしてCATVの20.3%,ADSLの9.4%と続く。

 希望する料金の平均は,ISPサービスを含めて月額3700円。現在のサービスよりも1000〜3000円ほど低く,インフラ事業者にとっては少々つらい結果となった。逆にいえば,今後は値下げによってユーザー層が大幅に拡大する可能性が高いということも示している。

 また,今後ブロードバンドで実現するサービスとしては,「映像配信サービス」「音楽配信サービス」「テレビ電話サービス」に期待が集まっているという。

携帯電話で小遣いが減る?

 一方,携帯電話やPHSを個人で利用している人の割合は,71.1 %におよび,特に10代男女の伸びが顕著だという。iモードなど携帯電話単体でインターネットを利用する人は20.6%で,10代男性(47.2%)と20代男性(46%)では半数近くに達している。

 しかしながら,利用者の若年化が進むなかで,月々の小遣いに占める通信料も増加傾向にあるという。こちらは1年間で3.5ポイント増加し,平均17.2%と2割近くになった。とくに10代では,小遣いの31.5%が携帯電話の利用にあてられている。

 このほか,「知らない相手から電子メールが送られてきた経験がある」と応えた人は46.5%に達し,このうち66.9%が迷惑に感じているという。インターネット利用時に「実名を使いたくない」と考えている人も利用者の56.1%となり,特に女性や自宅での利用時間が長い人ほどこの傾向が顕著だ。NRIでは,「生活者がITを安心して利用するためには,インフラ整備と相まって,ネットワーク上のルールやマナーが重要になる」と指摘している。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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