News 2001年5月11日 06:26 PM 更新

日本向け小型・省スペースPCはグローバル商品。PDA市場は静観――Michael S.Dell氏が会見

米Dell ComputerのMichael S.Dell氏が来日会見を行い,業績報告や今後の方針,日本市場への期待を語った。


来日したDellのMichael S.Dell氏

 米Dell ComputerのMichael S.Dell会長兼CEOが11日に都内ホテルで来日会見を行い,好調な伸びを見せる同社の業績報告や今後の方針,日本市場への期待を語った。

 冒頭に「昨年9月の来日キャンセルを詫びなければならない」と挨拶したDell氏。現在のコンピュータ市場とDellの業績について「興味深い時期。厳しい市場の中,生き残りをかけた時期だが,Dellにとっては劇的にシェア拡大をはかれる時期とも言える。ワールドワイドのマーケットシェアも台数ベースで2000年は第2位となり,1位のCompaqに急速な伸びで近づき,2001年2月には第1位となった」と発言。

 また業績伸長のポイントとして,大きな利益をあげながら,なおかつシェアを伸ばしている点を挙げ「他社の場合,利益の上がらない分野を利益の上がった分野で補うという方法をとっているが,Dellでは全てのビジネスで利益が上がっている」とアピール。マーケットの数字と比較してサーバ,ノートPC,デスクトップPC,いずれの分野でも市場全体の伸びより25〜30ポイント上回っている点を強調した。

 さらに「アメリカ,イギリス,スウェーデン,カナダ,マレーシア,アイルランド,これらの国で世界(コンピュータ)市場の45%を占めているが,Dellはこの市場で20〜25%のシェアになっている。一方,(日本を含む)残り55%の市場ではDellのシェアは5%ぐらいにしかなっていないので,まだまだ伸ばす余地はあると思っている」と,日本市場への期待感を述べた。

 Q&Aの席上で,日本法人の浜田宏社長が「日本では狭いオフィス環境や住環境に合わせて薄くて軽くて小さい製品を開発・投入してきた。今後もデスクトップやノートブックだけでなく,ワークステーションなどにおいてもこの省スペース商品を展開していきたい。Dellはグローバルカンパニーなので,グローバルのスケールが大事。日本向け製品ラインをもっと増やすためにも,Dellの中での日本法人マーケットシェアを伸ばしていかなければならない」と日本法人としての取り組みを説明。

 さらに浜田社長が「アジア太平洋の市場でも日本と同じようなプロダクトニーズがあり,日本向け製品というのはアジアでも成功する。日本とアジア太平洋の市場シェアを伸ばすことでグローバルなスケールエコノミーをあげていく」と話すと,すかさずDell氏が「日本は世界市場の指標となる。日本ユーザーを意識して開発した小型デスクトップなどは,グローバルな製品となっている」と付け加え,日本市場で主流となっている小型・省スペース志向の製品が世界ニーズにもマッチする点を強調した。

 成長著しいPDA市場への参入についての質問に対しては「PDA市場は,台数ベースでは大きく伸ばしているが,売り上げベースでは市場全体の8%とまだこれからの市場。利益の上がる市場規模になってから」(Dell氏)とし,Dellとしては利益が上がるハイエンドやストレージ分野への注力が最優先であることを強調した。

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[西坂真人, ITmedia]

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