News 2001年5月21日 09:40 PM 更新

日本テレコム,「J-web」でLモードに対抗

日本テレコムが固定電話でのインターネット接続サービス「J-web」を開始する。J-フォンとの連携を軸にサービスを展開する方針だ。

 日本テレコムは5月21日,固定電話を利用したインターネット接続サービス「J-web by ODN」を発表した。J-web対応電話機では,グループ会社のJ-フォンが提供する「J-SKY Web」コンテンツならびにiモードの一般サイトの閲覧や電子メールの送受信が可能。固定電話でのインターネット接続サービスとしては,NTT東西地域会社が6月中旬に「Lモード」をスタートする予定だが,日本テレコムではJ-フォンとの連携を軸に対抗する構えだ。

 J-webサービスの基本的な発想はLモードと同様に,「容易な操作でオンラインバンキングや天気予報などの各種情報サービスを利用できるようにする」というもの。機能的にも似たものが多く,J-webではコンテンツや電子メールの添付ファイルなどをプリントアウトすることが可能だ。実際,Lモード端末「UX-W50CL」ならびにJ-web端末「UX-W40CL」を発表したシャープでは,「Lモード端末とJ-web端末では,ファームウェアなど一部ソフトが異なるが,ハードウェアは基本的に同じ」(シャープ)と話している。そのためシャープによれば,1台でLモードとJ-webの両方に対応させることも可能だが,「キャリア側の意向もあり,今のところ開発は考えていない」(同社)という。


シャープが発売するJ-web対応普通紙FAX。画像はPNG,JPEG,GIFを表示することができる。さらに,子機でメールを送受信することも可能だ。通信速度は33.6Kbps。秋には三洋電機もJ-web対応端末を投入する予定

課金システムは秋導入

 J-webのコンテンツは,「順次独自のものを追加する計画だが,サービス開始当初はJ-SKY Webのものがメインになる」(日本テレコム)。J-SKY Webには現在,約700の公式コンテンツがあるが「そのうち100ぐらいがJ-web端末でアクセス可能になる」(同社)という。しかしながら,J-webでは秋まで課金システムが導入されないため,着信メロディーや待ち受け画面のダウンロードといった既存の有料コンテンツには対応しない。また,J-webではJ-SKY webのみに対応し,J-SKYの電子メールサービスのアカウントは使用できない。

 課金システム導入後は,有料サービスを使用した際にはLモードと同様に,日本テレコムの通話明細にコンテンツ利用料が含まれることになる。なお,J-SKY WebのコンテンツはMMLで記述されているが,J-webに対応させるため日本テレコム側でMMLからCHTMLへの変換を行っているという。またLモードとは異なり,J-webでは専用のゲートウェイは設置しない。

 サービス利用料金は,「通話料コミコミプラン」のようなシステムを導入している。J-web 1/5/10/20の4コースが用意され,J-web 1は月額400円で1時間/月,J-web 10では月額2300円で10時間/月まで利用することができる。時間を超越した場合は,1分につき10円が加算される。アクセスポイントには,インターネット接続サービス「ODN」の設備を使う。またJ-webでは,契約1回線につきログインアカウントを3個まで取得することが可能だが,IDを追加する場合は1個につき登録料150円,使用料250円/月が必要となる。

J-web料金体系

コース 月額料金(通話料・接続料込み) 利用時間/月
J-web 1 400円 1時間
J-web 5 1400円 5時間
J-web 10 2350円 10時間
J-web 20 4700円 20時間

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[中村琢磨, ITmedia]

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