News 2001年5月22日 11:42 PM 更新

ビジネスシヨウ 2001 TOKYOが開幕──ケータイが会場を席巻

ビジネスシヨウ 2001の会場で,最も注目を集めているのは携帯キャリア各社のブース。参考出展多数で見所もたくさん。

 東京ビッグサイトで5月22日,「ビジネスシヨウ 2001 TOKYO」が開幕した。出展者は600社で,会場は「ビジネスソリューションゾーン」「モバイル&ネットワークゾーン」「ソフト&情報サービスゾーン」「サプライ&パーツゾーン」「デジタルライフゾーン」の5つのゾーンで構成されている。また,今回は「21世紀―ITが創るビジネスと生活」がテーマに掲げられ,テーマ企画として新規ビジネスモデルの創出を目的とする「ニュービジネスモデルフェア」が行われている。開催期間は5月22日から25日まで。

大勢の来場者で賑わうケータイブース

 会場での注目は,やはり今年も「モバイル&ネットワークゾーン」。携帯電話各社がブースを並べる東5・6ホールは,大勢の来場者で賑わっている。特に,J-フォンとKDDIは近日リリース予定の新製品を多数展示するなど,注目度は高い。例えばJ-フォンブースでは,6月発売のJava搭載携帯電話「J-SH07」を実際に操作してみることができるほか,KDDIは,先日発表されたソニー製のBluetooth搭載端末やJavaサービス「ezplus」対応端末,さらにGPS内蔵端末などを一部モックアップながらも参考出展している。さらにKDDIは,2002年スタート予定の「CDMA2000 1x EV-DO」(HDR)の試作機を使い,約400Kbpsの通信速度でストリーミングのデモンストレーションも行っていた。


J-フォンブースではJavaアプリと携帯電話向け3Dポリゴン技術をアピール


KDDIがデモンストレーションしていた「CDMA2000 1x EV-DO」(HDR)はデータ通信専用サービスで,通信速度は最大2.4Mbps。平均では600Kbps程度になるという。ノートPCとイーサネットケーブルで繋がっているのがHDR端末

 また,NTTドコモが10月より開始する「FOMA」関連では,松下電器産業がFOMA専用アプリケーションとして,虹彩・声紋認証を実演。これは,端末側で虹彩・声紋を取得し,認証サーバにデータを送信するシステムだ。本人であることが確認されれば,オンラインバンキングなどのサービスが利用できる仕組みになっている。


左奥に見えるのが虹彩・声紋認証機能を搭載した端末。手前の女性が利用者として登録されている


声紋は利用者の女性,虹彩は別の人間から取得すると,画面には「Denied!」と表示され,サービスを利用することはできない

ザウルス君と写真!

 携帯電話以外では参考出展をあまり見かけなかったが,シャープが出展していた新型インターネット対応電子レンジのプロトタイプは人気が高く,多くの来場者が足を止めて担当者に説明を求めていた。


シャープが参考出展した「次世代型インターネット電子レンジ」。2002年春には商品化される予定


新型では,シャープ独自のアニメーション技術「E-アニメーター」で作成されたファイルを表示できるようになった

 シャープは,1999年にインターネット対応電子レンジとして「インターネットDEこれつくろ!」を発売。「電子レンジ自体の性能が高く評価され,売れ行きも好調だったが,インターネット機能は満足いくものではなかった」(シャープ)という反省のもとに,インターネット機能を強化した。従来製品からの改良点としては,1)専用の「お料理情報ボックス」ではなくSDカード経由で情報を取り込めるようになった,2)アニメーションの表示が可能になったなど。

 またシャープブースには,ザウルス関連の出品も多かったが,特に目を引いたのが「ザウルス君と写真!」コーナー。ザウルスのテレビCMのように,背中にザウルス君と記念撮影を撮ることができる(もちろん無料)。ただ,あまりに目立つためチャレンジする人は少なかったが,撮影された画像はもれなく「ezaurus.com」にアップされるという特典付きなので,記念に試してみるのもいいだろう。


ザウルス君と写真を撮る女性

基調講演には堺屋内閣特別顧問が登場

 ビジネスシヨウ 2001 TOKYOのキーノートには,内閣特別顧問(前・経済企画庁長官)の堺屋太一氏が登場し,自らが経済企画庁長官時代に新千年紀記念行事推進室の担当大臣として計画を進めたインパク(インターネット博覧会)について,「IT化に立ち遅れた日本だが,インパクを見て,日本のコンテンツもここまできたかと感じた」と感慨深げにコメントした。さらに堺屋氏によれば,「非常に高度なコンテンツとして,インパクは米国でも有名」だという。


「インパクは米国でも有名」とアピールする堺屋太一内閣特別顧問

 また,日本企業が今後進むべき方向については,「靴を履く習慣のないアフリカの人々に靴を売ることを提案したという営業マンの逸話があるが,このように人とは逆の発想をしなければ,IT時代は勝ち抜けない」(同氏)と述べた。

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▼ ビジネスシヨウホームページ

[中村琢磨, ITmedia]

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