News 2001年5月22日 11:58 PM 更新

「ブロードバンドを支える企業」を目指す富士通

富士通は,20Gbpsという広帯域バックボーンインフラ「B-FENICS」を構築し,企業向けインターネットサービスを開始する。

 富士通の秋草直之社長は22日に都内で会見を開き,1999年以来同社が掲げてきた「Everything on the Internet」を進化させる経営方針を語った。ブロードバンド時代に求められる,高い信頼性を持つ製品や高付加価値サービスを提供するというのが戦略の骨子。合わせて,具体的な製品群とインターネットサービスもアナウンスしている。

 他社が積極的にカンパニー制への移行を進める中で,あえて各事業部の連携を重視する「有機体経営」を指向した富士通だが,秋草氏は今後もこれを推進するという。テクノロジ,プラットフォーム,サービスという3つのコア事業に対して,「いかに横に動かすか(各部署の連携)を考え,ニーズに合った商品を作るのが総合エレクトロニクスメーカーとしての強み」(秋草氏)。中でも基盤技術となるXML,Java,IPv6,セキュリティなどについてはグループをあげて開発を加速させる。4月1日には,全社横断による「プロジェクトA-XML」を発足し,基礎技術の開発から応用ビジネスのマーケティングまでを行うユニットとした。

 また,プロダクト面ではブロードバンド・インターネットのサービスインフラを構築するための商品群を積極的に拡充する。秋草氏によると,ブロードバンドは「処理すべき情報量が増大するということ」。そこで求められるのは,高い処理性能と信頼性を兼ね備えたプロダクト群,そして高い付加価値を持ったサービスだという。

 具体的には,99.9999%の稼働率と最大160Gbpsまでの収容を可能にしたIP製品ファミリ「GeoStream」5シリーズ12機種をはじめ,1.76Tbpsの大容量伝送を可能にするWDM「FW OADX WDM」システムなどを順次市場投入し,現在提供しているIPテレビ電話サービス「IP MEDIASERVE」などのサービスも拡張する。

B-FENICSの追加

 さらに,ネットワークサービスのFENICSを拡充し,新たに「B-FENICS」とする。FENICS内はもとより,JPIXやNSPIXP接続,海外接続の中継線を強化し,総容量20Gbpsという広帯域バックボーンを構築するという。また,ネットワークエッジへのキャッシュサーバ設置により,300Kbpsのストリーム配信を可能にする。アクセス回線にはATMとADSLを利用し,今後はCATVやFTTHにも対応する予定だ。B-FENICSを利用した新サービスの価格は以下の通り。

サービス名 FENICSインターネットサービス MEGAスタンダードATM
回線速度 3M〜100Mbpsまで
初期費用 1回線あたり6万円より
月額費用 1回線あたり76万円より
備考 帯域保証型

サービス名 FENICSインターネットサービス フレッツADSL
回線速度 下り最大1.5Mbps/上り512Kbps
初期費用 1回線あたり2万円より
月額費用 1回線あたり1万2000円より
備考 固定IPアドレス付与,独自ドメイン利用可

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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