News 2001年5月24日 11:55 PM 更新

PS2の暗号技術を破るのは,海水から水の分子を解析するようなもの

RSAの暗号化技術が,ネットワーク端末へと変貌するプレイステーション2をハッカーから守る。

 RSAセキュリティは5月24日,同社の暗号化ツール「RSA BSAFE」がプレイステーション2(PS2)のツール・ミドルウェアライセンスを取得したと発表した。

 昨日には,同社とソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)が,ネットワークセキュリティにSSLを利用できる同社暗号化ツールキットを,PS2用ソフトウェア開発キット(SDK=Software Development Kit)として提供したと発表している。今回のツール・ミドルウェアライセンス取得によって,ゲーム開発者はSSL暗号化技術をPS2用ゲームに利用する際に,PS2用SDKかツール・ミドルウェアかを選ぶことができるようになる。

 今回,採用されたのは「RSA BSAFE Crypto-C」と「RSA BSAFE SSL-C」。PS2用HDDに記録されるデータの保護と,ネットワーク通信時のセキュリティを確保するツールだ。ネットワーク対応ゲームなどで,第3者による「なりすまし」や不正アクセスなどの被害を防げるという。


左が山野修社長,右がSchunell氏,中央が伊藤利昭マーケティング本部長

 山野修社長は「RSA BSAFEが組み込まれたOS,ソフトウェア,製品群の出荷は全世界で10億台を超える。今では,パソコンだけでなく,iモードやWAPといった携帯電話やPDAなど,あらゆるネットワーク端末にRSAの暗号技術が採用されている」と語り,ネットワーク利用環境における暗号化技術の標準であることを訴えた。

 また,米RSA Securityのマーケティング&コーポレイトディベロップメント担当副社長Scott Schunell氏は,SSL暗号技術のセキュリティ性について,「ハッカーに暗号鍵の解読を賞金をかけて挑戦させているが,今のところ56ビットの長さがハッカーに破られた暗号鍵の最長」と語り,ハッカーが暗号鍵を解析することの難しさを水の分子に例えて「40ビットはスプーン一杯の水の分子,56ビットはプールの水の分子,128ビットは全世界の海水の分子をそれぞれ解析するのに等しい」とSSLの暗号強度をアピールした。PS2用では,128ビットの暗号化技術が採用されている。

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[西坂真人, ITmedia]

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