News 2001年5月29日 07:25 PM 更新

PCCW子会社と東急エージェンシー,ブロードバンド向け広告配信の新会社を設立

PCCW系のアドソサエティと東急エージェンシーが,ブロードバンド向けの“リッチアド”を取り扱う合弁会社を設立した。

 香港Pacific Century Cyberworks(PCCW)の広告関連グループ企業であるAdSocietyと東急エージェンシーは5月29日,ブロードバンド向け広告配信会社を合弁で設立したと発表した。設立日は4月27日。新会社の名称は「アドソサエティ・ジャパン」。資本金は5000万円で,AdSociety が85%,東急エージェンシーが15%を出資している。

 アドソサエティでは,Flashアニメーションやストリーミング技術を利用したインタラクティブな広告を取り扱う。広告主は,ストリーミング番組の冒頭や中間に広告を挿入したり,コンテンツのバッファリング時などにスポットCMを流したりすることが可能だ。またアドソサエティは,リアルネットワークスと協力関係にあり,ストリーミングアドの認知・普及に共同で取り組んでいく計画だという。

 アドソサエティでは基本的に,AdSocietyの商品をローカライズするという形をとる。具体的な広告商品としてはまず,Flashアニメーションを利用した「Unicast Superstitials」,3Dアニメのオリジナルストーリーで商品を宣伝できる「e-Brilliant 3D Animation Studio」などを投入する予定だ。「日本のブロードバンドインターネットはまだ黎明期にある。アドソサエティはブロードバンド向け広告のノウハウを持っているが,まずは,56Kbpsなどナローバンド環境でも体験できる広告商品を用意する」(アドソサエティ・ジャパンCEOの佐々木光功氏)

 例えば,Unicast Superstitialsでは,最大550×480ピクセルの別ウインドウにFlashアニメーションを表示することが可能。ファイルサイズは,最大100Kバイトに制限されている。Unicast Superstitialの特徴は,Webページのダウンロードが完了してからポップアップが現れる点だ。「これによってユーザーのページ閲覧の妨げにはならない」(佐々木氏)。また,Flashアニメーションは20秒以内に定められているが,ページを移動した場合には,キャッシュからアニメーションを再生する仕組みになっている。

 なおアドソサエティ・ジャパンでは,初年度の売り上げとして12億円を見込んでいる。

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[中村琢磨, ITmedia]

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