News 2001年6月6日 11:17 PM 更新

WIDEプロジェクト,IXを分散配置して運用実験

慶応大学の村井純教授が代表を務めるWIDEプロジェクトは,インターネット相互接続ポイント「NSPIXP-2」の実証実験を拡大し,都内にある複数の拠点に分散配置したことを発表した。

 WIDEプロジェクトは6月6日,インターネット相互接続(IX)の実証実験を拡大し,都内にある複数の拠点に分散配置して運用を開始したことを発表した。WIDEプロジェクトは,慶応大学の村井純教授らが中心となって1988年に発足した民間の研究団体。1995年から大手町のKDDIビルで「NSPIXP-2」と呼ばれる日本最大のIXを実験運用しており,既に50社を超えるISPが接続している。


慶応大学の村井純教授

 WIDEプロジェクトの代表を務める村井教授によると,NSPIXP-2の分散拡張は,「性能面でブロードバンド時代の要求に応える」のが主旨だという。ポイントは,ビデオストリームなどコンテンツの大容量化に対応することと,実用レベルでのIPv6対応を実験すること。インターネットの普及とともにIXが処理するトラフィック量は年々拡大しているが(下の写真を参照),村井氏は「今までは細かいトラフィックが集まって大きくなっていたが,今後はデジタルシネマ等のアプリケーションによって一回で大きなトラフィックが流れるようになる。従来のコンフィグレーションではデータを処理できなくなるだろう」と指摘する。


IXの処理するトラフィックは,ほぼ直線で右肩上がり。しかし,ビデオストリーミングなどの普及によって状況が変わるという

 これに対応するため,今回の実験運用では,都内にある5つの拠点にIXを分散配置し,KDDIビルを中心にスター型のネットワークを構築。各拠点を4G〜8Gbpsの帯域を持つ光ファイバーで相互に接続した。それぞれ拠点は,レベルスリー・コミュニケーションズ,MCIワールドコム・ジャパン,三菱電機情報ネットワーク,NTTコミュニケーションズ,そして東京通信ネットワークといった協力会社が提供している。

 分散配置により,コンテンツプロバイダーなどはNSPIXP-2に接続したISPに対する良好なコンテンツ配信環境を得るとともに,複数の拠点の中から接続ポイントを選択することができるようになるという。今後は,使用される機器の耐故障性や,分散化によって生じる新たな問題点の解決など,多くの研究が進められる予定だ。

 IPv6に関しては,やはりWIDEプロジェクトが1年半前から大阪で進めている「NSPIXP-6」での実験結果を踏まえ,より広い帯域での実証実験と運用性の検証などを進める。「IPv6については,WIDEプロジェクトがもっとも豊富な経験を有している。今後,インターネット分野で日本が世界に貢献できる部分になるだろう」(村井氏)。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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