News 2001年6月7日 10:50 PM 更新

「Bluetoothって,何?」に,青息吐息

注目のワイヤレスネットワーク技術も,N+I 2001のブース担当者には認知度が低かった。

 ネットワーク関連の最先端技術が一堂に会したNetWorld+Interop 2001 Tokyo。ワイヤレスネットワーキング市場で注目の近距離無線技術「Bluetooth」はどうだったろうか。ガイドブックの製品別出展社インデックスでBluetoothの項目を調べると,なんと20社が名を連ねている。「これはBluetooth関連で1本記事をまとめられる」とばかり,意気揚揚と掲載企業を全てまわったのだが,実際にBluetooth製品を出展していたのは下記の3社だけという状況だった。


松下電器産業のBluetooth対応TA

 松下電器産業ブースでは,5月30日に発表したBluetooth対応TA「XJ-BTTA128S」を参考出品していた。7月12日の発売で価格はオープンだが,実売は3万9800円となる見込み。TA本体とUSB接続の通信アダプターとの機器間をBluetooth方式でつなぎ,ワイヤレスでインターネットに接続できる。見通し距離で約100メートルのワイヤレス通信が可能。Bluetoothモジュールは自社開発という。通信アダプターがやや大きい感があるが,USB接続なのでデスクトップPCでも使える。PCカードタイプよりも汎用性は高いか。


セキュリティシステム「XYLOC」。左がBluetooth版で右がUSB版

 コミュニケーション開発のブースでは,米Ensure TechnologiesのIDバッジ型カードキーを使ったセキュリティシステム「XYLOC」のBluetooth版を参考出品していた。XYLOCは,IDバッジを兼ねるカードキーと,PCに接続されたロック(錠)部が離れると,自動的にPCの操作制限が働くというセキュリティシステムだ。無線方式のため,指紋認証やカードを挿入するといった手間が省けるのが特徴という。製品化されているUSB版は,302MHz帯の微弱電波を採用しているが,この無線部分をBluetooth対応にすることで小型化を図るという。米国では今夏頃に発売予定だが,日本での製品化は未定だ。


台湾INTEREPOCHのBluetooth対応製品

 台湾のネットワーク機器メーカー,INTEREPOCH TECHNOLOGYのブースでは,IEEE802.11b対応の無線LANシステムを中心に展示し,Bluetooth対応製品も参考出品していた。写真を見てのとおり,片目でウインクしているような顔を思わせるデザインがユニークだ。このような遊び心は,日本メーカーも見習ってもらいたい。N+I 2001には,OEM先を求めての出展とのことだが,ブース担当者は早速商談に夢中で,製品の詳しいスペックは聞けなかった。

 訪問した20社の中には「Bluetoothって,何ですか? 」と聞き返すブース担当者も多く,そのたびにこちらがBluetoothの説明をしている状況だった。「ガイドブックの印刷ミスです」と居直るブース担当者も。ガイドブックへ出展内容を登録する際に,意味さえ分からずに製品項目をチェックしている感も否めない。それとも,Bluetoothの周知活動が足りないのか。

 ちなみに,ガイドブックには掲載されてなかったのだが,Bluetooth旗振り役ということで東芝も訪問。無線LANのデモは行っていたものの,Bluetooth関連の出展はなかった。「Bluetoothの目新しい商品がなかったので,今回はやめた」(東芝)とのこと。

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[西坂真人, ITmedia]

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