News 2001年6月26日 08:36 PM 更新

松下電器,武闘派モバイラーのための最強PCを発表(1)

松下電器は26日,ワイヤレスディスプレイPC「PRONOTE AirFG」を発表した。本体とディスプレイをワイアレスLANで接続して使う,これまでなかったタイプのモバイルユース向けPCだ。

 そのカタマリを見ても,それがPCであることに気がつく人は,まずいないだろう。幅200ミリ,奥行き91ミリ,高さ52ミリのグレー色した直方体。どう見ても工事現場の小型モーターかなにかだ。だが,これが松下電器産業が26日発表した,ロードウォーリアのための最強PC「PRONOTE AirFG」の本体なのである。


「PRONOTE AirFG」の本体。どこから見てもPCには見えない?

 同社ではこの「PRONOTE AirFG」を"新形態パソコン"と呼んでいる。いったい何が"新"なのかというと,その最大のポイントは,本体と表示・操作部を切り離したことだ。表示・操作部分は「AirLC」と言い,この二つの物体の間は,「IEEE802.1b」ワイヤレスLANで結ばれている。両者の間は,見通しで50メートルまで離すことができる。


「AirLC」。ごく普通のペンPC端末のようだが,強度が違う

 つまり,操作するにあたっては,本体はどこにあっても良いのだ。バイクのトランクやカバンの中に入れたままにしておいてもいいし,極端な話,どこかに置きっぱなしにして,「AirLC」だけを持っていくこともできる。ワイヤレスLANの届く範囲内であればかまわないのである。

 一方,表示・操作部分である「AirLC」の方は,重量が698グラムと,携帯情報端末並みに軽くなっている(本体は920グラム)。ディスプレイはタッチパネル式で,ペンによる操作が可能。OSはWindows 98 Second Editionで,ソフトウェアキーボードもサポートしている。ただし,モバイルユースを考え,凹凸は極力少なくなっており,スイッチの類はパワーとメニュー,マウスの右ボタンと後述するキャプチャーの4つしかない。

屋外使用に耐えるタフなマシン

 このマシンが主な対象にしているのは,屋外などのタフな環境でコンピュータを使う,俗にロードウォーリアーなどと呼ばれる,本当の意味でのコンピュータのモバイルユーザーたちだ。だから,このマシンも見てくれだけではなく,その要求に耐えられるだけの仕様となっている。


バイクに装着したデモ。ハンドル部につけた「AirLC」(上)と,トランク に入れた本体(下)

 まず耐久性。本体,「AirLC」ともに,米国防総省が軍用品に採用する際の性能規格「MIL-STD-810E」をパスしている。これは120センチの高さから,各面や辺,角など26面から落としても性能や形状に変化がなかった,ということだ(非動作時。激突部の塗装剥離は不問とする)。

 また,機械の全方向から毎分1ミリの降水があっても,機械には影響がないという防滴試験「IEC 529」もクリアしている。多少の水しぶきはものともしない防滴性があるのだ。

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