News | 2001年7月2日 11:59 PM 更新 |
アイエスエフは7月2日,登録電話番号をかけると自動でデータベースにユーザー登録が行われる格安インターネット電話「e-Phone Forever」を,7月7日よりサービス開始すると発表した。
e-Phone Foreverでは,初期登録として登録電話番号にダイヤルすると,発信者番号通知機能により利用者を識別し,データベースにユーザー登録が自動で行われる。次に指定のアクセス番号にかけて音声ガイダンスに従って,かけたい電話番号を入力するという手順となる。アクセス番号まではNTTなど第一種通信事業者の通常の電話番号を通るが,この部分をフリーダイヤルとしているため,支払うのはe-Phone Foreverサービスの通話料のみとなる。このフリーダイヤルは携帯電話やPHSからは利用できない番号なので,携帯電話やPHSから利用する場合は,アクセスポイントまでの通話料が別途必要となる。
世界82カ国の一般電話,23カ国の携帯電話と通話が可能。通話料金はプリペイド方式で,同社指定口座に振り込むことで購入できる。プリペイドIDの金額は3000円,5000円,1万円,3万円の4種類。
VoIP(Voice over IP)技術を利用したe-Phone Foreverは,ゲートウェイサーバまでのネットワーク回線をインターネットで代用することで,通信料の低価格化を可能にしている。
特に「中国や韓国は戦略的に通話料を低く設定」(同社)し,中国で1分20円,韓国では1分16円と,NTTコミュニケーションズやKDDIの約1/7〜1/8という安さが,e-Phone Foreverのセールスポイントだ。
国際電話を例に,インターネット電話サービスとキャリア系との料金を比較してみた。
通話相手国 | アメリカ | イギリス | 中国 | 韓国 |
e-Phone Forever | 13円 | 21円 | 20円 | 16円 |
AT&T@phone | 17円 | 29円 | 70円 | 50円 |
フュージョン・コミュニケーションズ | 30円 | 60円 | 90円 | 80円 |
NTTコミュニケーションズ | 53円 | 140円 | 140円 | 110円 |
KDDI | 60円 | 140円 | 160円 | 120円 |
まるで国内通話感覚で国際電話がかけられる料金が魅力のインターネット電話だが,料金だけで簡単に比較はできない。
インターネットは,さまざまなパケットが混在し,帯域幅も保証されていない。この“混沌とした”インターネットの世界に,圧縮した音声データを流すインターネット電話は,音質の劣化や遅延がつきものというイメージを払拭しきれていないのも事実だ。また,会社のLANでPC to PCやPC to Phoneを使う場合,ファイヤーウォールの内側では使用できないインターネット電話も多い。
料金支払いの面でも,課題は多い。プリペイドカード方式による通信料金の支払い方法は,外国では当たり前のサービスとなっているが,日本ではまだまだ認知されていない。
インターネット回線を利用したPhone to Phoneのサービスでは,JENSの「AT&T@phone」が有名だ。アクセス方法やID・パスワードの入力を省略できるサービスなどはe-Phone Foreverと同様だが,AT&Tの強力なバックボーンを利用しているので,音質の劣化や遅延という問題が指摘されるインターネット電話の中でも「通話品質には自信を持つ」(同社)点が特徴。
「24時間いつでも,全国どこへでも,一律3分20円」という分かりやすい料金体系で話題となったフュージョン・コミュニケーションズも,VoIP技術を利用した“IP電話”である。専用のIPバックボーンを全国に張り巡らせ,その中に圧縮しない音声データを流すことで,音質の劣化や遅延というインターネット電話のデメリットを解消しようとしているため,インターネット電話という言葉は正確には当てはまらないかもしれない。
今のところ“安さで勝負”のe-Phone Foreverだが,ブロードバンド時代が訪れればインターネット電話の通話品質も向上し,大手通信キャリアとの競争も激しくなる可能性もある。「パソコンを使わないe-Phone Foreverは,幅広いユーザーにアピールできる。数字目標は特に決めていないが,数多くのユーザーを獲得したい」(同社)。
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