News 2001年7月2日 11:59 PM 更新

スピードアップした「Virtual PC for Windows 4.0」

Windows上で動作するPCエミュレーションソフトの「Virtual PC for Windows 4.0」は,従来製品から大幅な速度向上が図られている。

 米ConnectixはTECHXNYで,Windows上で動作するPCエミュレーションソフト「Virtual PC for Windows 4.0」をリリースした。ConnectixのWebサイトでは,オンライン販売が開始されており,199ドルで購入することができる。また,プレビュー版のテストプログラムに参加していたユーザーには7月9日までの間,99ドルで購入できる特別プログラムが用意されている。なお,マルチランゲージパッケージとなっており,インストール時に「Japanese」を選択すれば,メニューやダイアログ表示が日本語化される(ただし,ヘルプやドキュメントは英語のみ)。

 Virtual PCは,PC環境を仮想的に実現する製品。Mac OS版は,Macintosh用ソフトウェアの売り上げで上位に食い込んだという実績を持つ。Mac OS版では,プロセッサのエミュレーションを行う必要があるが,Windows版ではプロセッサそのもののエミュレーションは行わなくていいため,高速に仮想PCを動かすことができるという。サポートOSは,DOS,Windows 3.1/95/98//Me/NT/2000/XP,Linuxとなっており,製品版には,米IBMのPC DOS 2000が付属している。


Virtual PC for Windows 4.0の画面(画像を見る
 フロッピードライブ,CD-ROMドライブなどは,そのままPC本体のものが利用可能。さらに,PC本体のCD-ROMドライブやフロッピードライブからブートできるので,OSなどのインストールも非常に簡単だ。今回は出先のため,標準で添付されているPC DOSしか試していないが,ConnectixブースではXPを含む各種Windows,Linuxが動作していた。また,ハードディスクはインストール先のPCハードディスクに仮想ハードディスクファイルを作成,マウントする。ネットワークへのアクセスも可能で,Virtual PCがNAT機能付きルータとして振る舞うことで実現している。NAT非対応アプリケーション向けには,Virtual PCがスイッチングハブとして動作する機能もある。

 筆者は,プレビュー版を,Athlon/1GHz,メモリ512Mバイトの環境でWindows XPベータ2のテストをしていたのだが,その段階で既に,ライバルと思われる「VMware」よりも高速に実行できた。製品版も実際にインストールしてみたが,確実にプレビュー版よりもに高速化が図られている。通常の処理であれば,Pentium III/700MHz程度でも問題なく動作するはずだろう(それなりに大きなメモリが必要になるが)。ただ,I/Oやグラフィックの速度はリアルのPCよりもかなり遅いため,軽快に動作するとは言い難い。

 個人的には,Virtual PCをベータ版のテストや画面キャプチャ,それにテスト用仮想サーバなどの用途に利用しているが,仮想PCはいくつでも登録できるため,あらかじめ複数の環境を用意しておけば,いつでもクリーンなシステムでテストを行える。アイディア次第でさまざまな使い方ができるだろう。

[本田雅一, ITmedia]

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