News 2001年7月19日 11:55 PM 更新

アキバでネットが使えるのは便利,だけど……

 都内でインターネットを使えるパブリックスペースを,いろいろと調べてみようと,今回は,秋葉原に新しくできたNECCAをのぞいてきた。

 会員制で,初回の入会時には入会金200円と,身分証明書が必要になる。ただ,今は,開店直後のサービスということで,入会金は無料となっている。

 店内には,約50台のパソコンが設置され,好きなパソコンを利用することができるようになっている。また,それとは別に,ノートパソコンを持参しているユーザーのためのスペースが用意され,電源とイーサネットを利用できる。

 設置されたパソコンのうち,約8台にはCD-Rドライブが装着されていたり,それらのパソコンからレーザープリンタが使えたり,また,ワードやエクセルなどのビジネスソフトがインストールされていたりするが,基本的には,ネットワークゲームを楽しむ空間として考えた方がいい。パーティションに囲まれた中に,2台のパソコンが並ぶ,ペアシートなどといった席が用意されているのも目についた。

 料金など,詳細は(NECCAのホームページ)に記載されているが,これを安いとみるか,高いとみるかは,微妙なところだ。ぼくは,ノートパソコンを持っていたので,30分200円のモバイルスペースを利用した。無線LANが使えるとばかり思っていたが,大きな勘違いで,LANは,有線のみだった。ただ,イーサネットケーブルは,無料で貸してもらえたので,それを使って接続を試みた。

 モバイルスペースには,テーブルが3つあり,それぞれのテーブルの下に,イーサネットのソケットが2個と,電源コンセントが2個設置されている。テーブルをソファが囲む格好になっているが,ソファとの間隔が空き過ぎていて,ちょっと原稿を書こうかという気負った体制にはなれない。もっとも,テーブルを使わずに,膝の上にパソコンをのせればそれでいいわけだけど。

 ケーブルを接続すると,特にトラブルもなく,インターネットには,すぐにつながった。調べてみると,DHCPで,192.168.0.7というプライベートアドレスが割り当てられている。難しいことは何もない。接続が完了した時点で,その旨をスタッフの人に伝えると,時刻が確認され,そこから課金が始まる。スピードはそこそこだと思う。

 30分200円という値段は,PHSを使って接続したときと比べると2/3だ。有料ではあるが飲み物や簡単な食事も注文することができ,価格も比較的廉価なのは良心的だと思う。例えばコーヒーは200円なので,コーヒー一杯を飲んで,1時間ほど居座った場合には合計600円ということになるわけだ。周辺の喫茶店ではコーヒーが一杯500円くらいするということを考えると,そんなものかなとも思う。

 ぼくが行ったときには,平日の午後ということもあって,店内はガラガラ。それでも,10人くらいは,利用者がいただろうか。モバイルスペースにも,一人,ThinkPadをLANにつないで利用している男性がいた。

 秋葉原に買い物にいくときは,取材などの帰りに立ち寄るというパターンが多い。そういうときに限って,あれを買わなくちゃと思って,どこで何が安かったのかという情報を知りたくなるのだが,意外にこの街には,自由にインターネットが利用できるスペースがない。普段はパソコンを持っているので,喫茶店などに立ち寄り,PHSでインターネットに接続し,Webをいろいろと調べたりするわけだが,比較的ゆったりとした,静かで明るい居心地のいいスペースとして,今後も立ち寄ることがあるかもしれない。

 ただ,村井純氏ではないが,「じゃぶじゃぶ気軽に使えるインターネット」という意味ではやはり値段が高すぎる。パブリックスペースでは,限りなく無償に近いインターネットインフラがほしい。喫茶店でトイレを借りるのは無料といった感覚でインターネットを利用できるようになってほしいものだ。

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[山田祥平, ITmedia]

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