News 2001年8月1日 11:59 PM 更新

史上最悪のSirCam,その被害を防ぐには――シマンテックがSirCam対策セミナー(1)

シマンテックは1日,SirCam対策セミナーを開催。猛威を振るうSirCamの被害状況を報告するとともに,その特徴と対応のポイントを説明した。

 シマンテックは8月1日,SirCamワーム対策緊急セミナーを開催した。7月中旬に被害報告の第一報が入ったこの新種のウィルスは,勢いは衰えながらも現在もなお被害を広げている。東京本社で行われたセミナーには,企業のセキュリティ担当者を中心に数多くの人がエントリーし,20人の定員に対して倍以上が参加するなどSirCamウィルスへの関心の高さを示した。

 毎日,山のようなメールが送られてくる編集部には,8月1日22時の時点で,累計1000通を超えるSirCamウィルスが送られてきている。編集部に送られてきたメールの日付をチェックしてみると,日本時間で7月29日(日)から30日(月)午前中にかけて,つまり米国の土日にあたる期間は一時沈静化。「このまま終息か」と思ったのもつかの間,30日の午後から再び活発化し,8月1日は午前中ですでに100通を超すなど,依然として予断を許さない状況となっている。

 セミナーの壇上に立ったシマンテックSARCジャパンの星澤裕二氏は,ワールドワイドにおけるSirCamの被害報告件数に触れた。


SirCam被害報告件数の推移

 Symantecのウィルス専門研究所SARC(Symantec AntiVirus Research Center)に寄せられた被害報告の件数は,7月31日まででトータル1万342件に及んでいる。「この数字はあくまでもSARCに届けられた被害報告で,アンチウィルスソフトで駆除できたり,他社に届けられた分などは含まれていない」(星澤氏)。

 出足こそも少なめの報告数だったSirCamも,現在ではメリッサやアンナクルニコワといった著名ウィルスと比較しても4倍以上の被害報告件数となっているという。

 セミナーでは,現時点での最新情報をもとにSirCamの特徴が詳しく述べられた。当サイトでも,最新のSirCam情報を,その都度いち早く伝えてきたが,今回のセミナー内容を紹介することで,あらためてSirCamの全貌を振り返ってみたい。

SirCamの特徴

 SirCamはアドレス帳のメールアドレス全てに送信する「大量メール送信」と,アクセス可能なネットワークコンピュータに自分自身をコピーしていく「ネットワーク感染」の2つの感染方法がある。

 「1999年のメリッサや今年2月に発見されたクルニコワウィルスはメール感染のみだった。ネットワークという感染経路もあるSirCamは,メリッサやクルニコワよりも強力といえる」(星澤氏)。

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