News 2001年8月2日 11:33 PM 更新

国内PC市場も振るわず――2001年第1四半期PC出荷実績

JEITAから,2001年第1四半期のPC出荷実績が公表された。世界的にPC市場が減速するなか,国内も例外ではなく,金額ベースでは前年割れとなった。

 2001年度第1四半期(4月〜6月)のPC出荷実績が発表された。国内出荷台数は,279万3000台で前年同期比2%増。出荷額は同4%減の4710億円と振るわなかった。また,輸出分を含む総出荷台数は294万2000台で前年同期と同じ。こちらも,出荷額は6%減って4959億円にとどまった。

 世界的にPC市場が不振であることを考えれば,国内PCメーカーだけが好調のはずもないのだが,出荷台数ベースでの成長率が1桁台というのは,1998年度第2四半期以来のこと。

 特に,デスクトップPCの後退は著しく,出荷台数は前年同期比で11%減。PC業界にとってはノートPCが同15%増と踏ん張ったことが唯一の救いだろう(いずれも国内出荷。ただし,ノートPCの成長率も,1998年度第2四半期以来はじめて20%を割り込んだ)。なお,デスクトップの成長鈍化も手伝って,ノートの構成比は55%から57%に上昇している。

 また,金額ベースで前年割れするのは1998年度第1四半期以来,3年ぶり。要因としては,売れ筋のノートの平均単価が,この1年で2万円程度下落していることなどが考えられる。一方,デスクトップはここ1年,16万円前後で推移しており,下げ止まりの感がある。

「4〜6月はどこも厳しかった」

 電子情報技術産業協会(JEITA)では,2001年度第1四半期の出荷実績が振るわなかった理由の1つとして,「前年同期が35%増(台数ベース,以下同)という大きな伸びを示している」ことを挙げた。確かに,好調な前年の数値を超えるのは容易なことではない。だが,PCが順調に売れていた時期はこなしてきたことである。実際,2000年度第1四半期の場合,前年同期,つまり1999年第1四半期は38%増と大きく成長していた。

 また,今回より出荷統計にデータが加えられたソーテックでは,「4〜6月期はどのメーカーも厳しかったはず」と話す。その要因は,「製品の価格が下落したことに加え,既にある程度のユーザーにPCが行き渡った」(同)ためだ。「デジカメなどに流れた消費者を引き戻すために,これからはPC買換え需要の喚起が重要になる」(同)。

 第1四半期だけの結果を見ると,第2四半期は「前年割れ」という文字が頭をよぎるが,通常,第1四半期よりも第2四半期というように,年度末に向けて需要が盛り上がっていく傾向にある。そして,今年は11月に「Windows XP」のリリースも控えている。このため,JEITAでは,「第1四半期はWindows XPの買い控えの影響もあったと思われる。第3〜第4四半期にかけては,前年を上回る結果になるだろう」と意外にも楽観的な見通しを示した。

 そこでソーテックに,Windows XPはPC市場活性化の起爆剤になるかと尋ねたところ,「なるかならないかではなく,それを期待するしかない」という答えが返ってきた。Windows XPには,ユーザーだけでなく,PCメーカーの大きな期待もかけられている。

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関連リンク
▼ 電子情報技術産業協会(JEITA)

[中村琢磨, ITmedia]

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