News 2001年8月3日 11:34 PM 更新

SirCamの対処法や犯人像――ウィルス専門研究所「SARC」に聞く(1)

史上最悪といわれるSirCam。ウィルス専門研究所SARCの日本拠点に,国内の感染状況やSirCamメールを受け取ってしまったときの対処方法,SirCamの犯人像,CodeRedについて聞いた。

 Symantecのウィルス専門研究所SARC(Symantec AntiVirus Research Center)は,米国,欧州,豪州,そして日本の4拠点にウィルス専門研究者を抱え,コンピュータウィルスに関する研究を行っている。日本拠点となるSARCジャパンの星澤裕二氏に,全世界で猛威を振るっているSirCamやCodeRedについて,編集部がインタビューを行った。


編集部のインタビューに答えるSARCの星澤氏

ZDNet 日本国内のSirCam感染報告状況は?

星澤 SARCジャパンに寄せられた国内のSirCam感染報告は8月3日19:00の時点で73件となっている。最初の被害報告は7月22日だった。これは実際に感染したファイルをシマンテックに送ってきたという数字。ユーザー側でアンチウィルスソフトを使い駆除してしまったケースは含まれていない。

ZDNet 海外の状況からすると,日本の報告は少ないのでは。

星澤 欧米は,感染されたら報告するというのが一般的になっている。今回のSirCamも,アメリカやヨーロッパからの報告が大半を占めている。一般的に日本のユーザーは,欧米ユーザーと比較してあまりウィルス感染報告をしないという傾向がある。感染を報告していないだけで,実際にはかなり国内にも広がっていると思われる。報告することは義務ではないが,今後のウィルス対策を行う上で,できるだけ報告して欲しい。

ZDNet 感染者のユーザー層に何か特徴はあるか。

星澤 コンシューマーユーザーが多い。SirCamは,Windows 2000/NT上では,うまく動作しないという報告がある。企業では,かなりWindows 2000/NTが利用されてきているので,コーポレートユーザーには影響が少なかったのではと見ている。興味深いのは,このようにウィルスが話題に上り,メディアで盛んに取り上げられるようになったときは,必ず他のウィルス報告も増えてくるという傾向がある点だ。

ZDNet ウィルス報告が増える理由は?

星澤 ウィルスが話題になっているので,試しにアンチウィルスソフトを動かしてみたら,別のウィルスが発見されて報告してくるというケースが増えるからだ。SARCへのウィルス被害報告も,SirCam騒ぎ以降急激に増えており,モノによっては10倍以上に増えているウィルスもある。いかに,普段マメにウィルス対策をしていないかが分かる。

ZDNet SirCamメールを受け取ったときの対処方法を教えて欲しい。

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