News | 2001年8月22日 11:59 PM 更新 |
あの「シーマン」が,プレイステーション2(PS2)にやって来る。
トータル55万本というセールスを記録しながらも,ドリームキャスト生産中止で行き場を失ったと思われていたシーマンだが,今回,PS2に移植されることが決まった。しかも,単なる移植ではなく,PS2向けにリメイクされた完全オリジナル版だ。
タイトル名は,「シーマン〜禁断のペット〜 ガゼー博士の実験棟」。発売日は11月15日。価格は8800円(マイク付きコントローラの「シーマイク・コントローラ」同梱)。
|
石器仕様バージョンのコントローラ(上)。単体では発売されない。また初回予約特典として,海洋堂製のシーマンボトルキャップがプレゼントされる。かなり精巧な作り。早速,編集部でも「気味が悪い」「かわいい」(?)などと評判になっていた |
「よくソニー(コンピュータ・エンタテインメント:SCEI)さんがこんな変わったソフトを許してくれたなあ」。ビバリウムの斎藤由多加社長は,PS2版リリースについて冗談交じりにこう語る。斎藤社長によれば,シーマンはもともとマルチプラットフォームを前提にしたタイトルであったという。今年3月に全世界の出荷台数が1000万台を突破し,今年度末には2000万台を伺おうというPS2は,シーマンを“繁殖”させるのにもってこいの環境だ。
「移植の課題は,音声認識関連だった」(斉藤社長)。ドリキャス版ではセガがマイクデバイスなどを用意してくれたが,SCEIはサードパーティとやってほしという方針。そういったコネクションを持たないビバリウムが頭を悩ませていたところ,セガの故大川功名誉会長から「PSでやるなら,アスキーとやってくれと紹介された」(同社長)。
アスキーには,サーフボード付きのPS2用のコントローラを開発した実績もあり,話はすぐにまとまったようだ。今回のPS2版には,初回予約分限定ではあるがマイク付きオリジナルコントローラとして,シーマンの世界観の核となるピラミッドをかたどった「石版仕様バージョン(USB接続)」が用意される。
さらに,アスキーはコントローラの開発だけでなく,グラフィック部分も担当するなど,PS2への移植に多大な貢献をしている。アスキーの鈴木社長が「アスキーはゲームやめたんじゃないのと言われたりもするが,焦点を絞ってしっかりやっている。これを機会に見直してもらいたい」と強調するほどだ。
さて,そろそろPS2版シーマン〜禁断のペット〜の内容について説明したいところなのだが,「11月の発売までに情報は小出しにしていく。機能的にここが新しくなったとか言うと,興醒めしてしまう。だって,シーマンはゲームではなくペットなのだから」という斉藤社長の方針により,記者会見を開いたにも関わらず,実は,ほとんど情報は公開されていない……。
ただ,それでは報道陣が納得するはずもなく,わずかながらPS2版の中身について説明があった。簡単にまとめてみると,
|
ドリキャス版とPS2版の比較。細川俊之氏の名前の後ろにある“(還暦)”はゲームと何か関係があるのだろうか? |
といったところ。さらに,質疑応答では「フロッグマンから,さらに進化したりするのか」と問いかけられた斉藤社長は,「あいまいな答えになってしまうが,(ドリキャス版では最後のシーンであった)熱帯雨林もシーマン育成の場になるかもしれない」と回答。
どうやら,ドリキャス版をクリア(ゲームではないらしいので,正しい表現ではないかもしれないが)したユーザーも楽しめる作りになっているようだ。なお,PS2版シーマンの情報については,専用サイト「Seaman.TV」で随時公開していく予定だという。
また,PS2版ではドリキャス版のようなネットワークを利用した機能は搭載されない。斉藤社長によれば,「マイクを同梱した時点で,既に8800円。これにネットワーク機能を足したら,かなり厳しくなる。またドリキャスとは異なり,PS2は標準でネットワーク対応ではない。利用できるユーザーの数が不透明」との考えにより,採用を見送ったという。
ただ,「シーマンのネットワークエンジンは継続的に改良を続けている」(斉藤社長)ということもあり,PS2ユーザーの間でネットワーク環境が普及した段階で,追加ディスクなどが登場する可能性もある。
1999年7月の発売当時,「悪魔のペット」と銘打たれたこの謎の生物は世間を大いに震撼させた。2001年末,再び世界中にシーマン・ショックが広がるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.