News 2001年9月19日 11:55 PM 更新

タブレットPC,まだまだ健在

「WORLD PC EXPO 2001」の会場では,タブレットPC/Webパッドを参考出展しているメーカーも多い。展示会場ではよく見かけるものの,あまり普及しているという話は聞かない。だが,消えてしまったと思うのはまだ早い。

 タブレットPC。より単機能なものはWebパッドと呼ばれる。IT/PC関連の展示会場では以前からよく見かけられ,製品もいくつか登場している。だが,特に普及しているという話はあまり聞かない。

 IT業界では,話題になるだけで消えていく技術や製品は少なくないが,タブレットPCやWebパッドもその類なのだろうか。だが,千葉・幕張メッセで開幕した「WORLD PC EXPO 2001」を見る限り,まだまだ健在のようだ。

 ソーテックブースでは,韓国TrigemのWebパッドを参考出品している。ソーテックブランドで発売予定のこのWebパッドは,CPUにStrongArmを採用,メモリは64MバイトSDRAMと32Mバイトのフラッシュメモリを備える。ディスプレイは8型TFT液晶(800×600ピクセル)だ。OSはWindows CE 3.0。


コンパクトフラッシュ/SDカードスロットを備える。会場では実際に無線LANによるインターネット接続のデモンストレーションを行っていた。本体サイズは217(幅)×150(高さ)×16(奥行き)ミリ。重量は約650グラム


専用のハードカバーも発売予定だ。持ち運びには便利だが,だいぶかさばりそうな気もする……

 トライジェム ジャパンの李東協氏は,「パワーポイントを使ったプレゼンなどでは,ノートPCよりもタブレット型の方が使い勝手が良い。韓国ではまだ市場が立ち上がっていないので,まずソーテックを通じて日本で発売することにした」と意気込みを語る。

 またイーヤマは,ホームサーバを組み合わせたソリューションとして,Webパッドを紹介している。「Webパッドのような製品は,ブロードバンドが本格的に普及してからが本番。データをホームサーバに格納し,Webパッドをビューワとして使うようなスタイルが定着するだろう」(イーヤマの竹内理氏)。


Webパッドとホームサーバ。ともに,発売日や価格などは未定

 CPUには,TM5400/500MHzを採用。メモリは64MバイトSDRAMを実装する。本体サイズは,265.5(幅)×160(高さ)×27.8(奥行き)ミリ。ディスプレイは,8.4型TFT液晶(800×600ピクセル)。PCカードスロット Type II×1,コンパクトフラッシュカードスロット×1,USB×2を備える。

 また,米TransmetaのブースでタブレットPC「PaceBook」を紹介していた米PaceBlade TechnologyのElias Ek氏は,「これは全く新しい概念のモバイルコンピューティングだ」と鼻息を荒げる。


PaceBookは,CPUにTM5800/800MHzを採用し,128Mバイトのメモリを搭載する高機能モデル。ディスプレイは12.1型TFT液晶(1024×768ピクセル)。本体重量は約1.6キロと片手で持つには少々重いかも。連続駆動時間は約6時間。IEEE 1394インタフェースも備える


「タッチパネルなんだぜ」とPaceBookをアピールするEk氏

 PaceBookは,ワイヤレスキーボード付きのタブレットPC。上の写真のように,専用のケースを使えば,まるでノートPCのような使い方が可能だ。またタブレットPC本体の背面には専用のネジ穴があり,壁に掛ければ液晶デスクトップになる。

 「PaceBookは,ノートPCのような使い方が可能ながら,当然,ヒンジ部分が壊れることはない。10年間変わることのなかったノートPCの概念を覆すものだ」(Ek氏)。なお,同氏によればPaceBookは,今年秋に日本で発売される予定だという。

 高木産業も,Webパッドに参入だ。「パーパス」ブランドでStrong Armベースの製品を発売する。詳細な仕様はまだ未定だが,価格は13万円程度になる見込みだという。

 「重さは1キロを切るくらいだが,片手で持つには重いかも知れない。そこで,背面にグローブのように指を通す場所を備えることも検討している」(高木産業の村上一成氏)。

 タブレットPC/Webパッド。熱くなるのは,これからかもしれない。

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[中村琢磨, ITmedia]

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