News 2001年10月2日 01:00 PM 更新

インテル,ノートPC向けプロセッサ12製品を発表

インテル日本法人は2日,ノートPC向けのプロセッサ12製品を発表した。動作周波数1.2GHzのハイエンド製品から,平均消費電力0.5W以下という省電力製品や低価格製品まで,「幅の広さ」が今回の新製品群のポイントだ。

 インテルは米Intelの発表に合わせ,日本でも2日,ノートPCセグメント向けの新プロセッサ12製品の発表を行った。発表されたのは,以下の製品群。モバイルPentiumIII-Mプロセッサ6製品はすべて0.13μmのプロセスで製造され,2次キャッシュが512Kバイト,拡張版Intel SpeedStep テクノロジに対応している。

  • モバイルPentiumIII-M 1.2GHzの1製品
  • 低電圧版モバイルPentiumIII-M 800MHz,800AMHz,750MHz,733MHzの4製品
  • 超低電圧版モバイルPentiumIII-M 700MHzの1製品
  • モバイルCeleron 933MHz,900MHz,866MHz,800AMHz,733MHzの5製品
  • 低電圧版モバイルCeleron 650MHzの1製品

 このうち,モバイルPentiumIII-M/1.2GHzはモバイル向けの専用プロセッサとしては過去最高性能を提供するもので,最高性能モードの1.20GHzでは,1.45Vで駆動する。バッテリモードでは1.15Vで800MHz,平均消費電力は2W以下という。システムバスは133MHzだ。

 同社では主に高機能のA4サイズ薄型軽量ノートをターゲットとしており,パッケージはMicro FCPGAとMicro FCBGAの2種が提供される。大口ユーザー渡し価格(1000個時,以下同)は722ドル。

 低電圧版の4製品は,B5サイズなどの薄型軽量サブノートを主な対象にした製品で,平均消費電力はいずれも1W以下。最高性能モード(1.15V)とバッテリモード(1.05V)の動作周波数は,それぞれ800MHz(533MHz),733MHz(466MHz),800MHz(500MHz),750MHz(450MHz)

となる(カッコ内がバッテリモード)。システムバスは800MHzと733MHzの2製品が133MHz,800AMHzと750MHzが100MHzだ。パッケージはMicro FCBGAのみで,価格は800MHz製品が316ドル,733MHzと750MHzが241ドルだ。

 超低電圧版モバイルPentiumIII-Mは,サブノート・ミニノートなど,最も小型なノートPC向けにリリースされる。平均消費電力は0.5W以下で,最高性能モードでは1.1Vで700MHzの動作周波数だが,バッテリモードでは0.95Vで300MHzになる。価格は209ドル。

 モバイルCeleronと低電圧版モバイルCeleronの計6製品は,低価格ノートPCへのサポートとして発表される製品群だ。このうちモバイルCeleron5製品は0.18μmプロセスで製造され,コア電圧は1.7V,平均消費電力は2ワット以下という。2次キャッシュは128Kバイト。

 システムバスは900MHz製品(100MHz)を除いて133MHzで,パッケージも900MHz以外はMicro FCPGAとMicro FCBGAだが,900MHzのみはMicro PGA2とBGA2になる。なお,800AMHzはシステムバス100MHzの同クロック製品との区別のため,「A」と付けられている。価格はそれぞれ933MHz(134ドル),900MHz(134ドル),866MHz(107ドル),800AMHz(91ドル),733MHz(75ドル)。

 一方,超低電圧版モバイルCeleron650MHzは0.13μmプロセスで製造され,2次キャッシュも256Kバイトある。コア電圧は1.15Vで,システムバスは100MHzと,より小型軽量な低価格ノートPCをターゲットとしている。パッケージはMicro FCBGA1種で,価格は134ドル。

Intel推奨のチップセットの組み合わせは?

 新たなモバイル向けプロセッサが投入されるのにあわせ,830チップセットも3つのタイプが提供され(もはや周知の事実だが),そのスケーラビリティが広がった。

 このうち「830MP」はハイエンドノート向けの製品で,外部のAGP4Xないし2Xのグラフィックスコントローラに対応する。「830M」は高性能グラフィックス内蔵,ないし外部AGP4X/2Xのコントローラをいずれかサポート,「830MG」は低価格製品向けのチップセットで,内蔵グラフィックスのみをサポートする。

 CPUとチップセットの関係が若干ややこしくなるが,今回発表のプロセッサで言えば,モバイルPentiumIII-Mには830MPを,システムバスが133MHzの低電圧版モバイルPentiumIII-Mには830Mを,インテルは推奨している。そして830MGは,同じく133MHzシステムバスのモバイルCeleronが推奨の組み合わせだ。

 0.13μmプロセスで製造され,システムバスが100MHzの低電圧版および超低電圧版のモバイルPentiumIII-M,および低電圧版Celeronには440MXが,残る900MHz版 モバイルCeleron(0.18μm,システムバス100MHz)は440BXないし815EMが推奨されている。

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