News 2001年10月3日 07:42 PM 更新

液晶,次はどうなる?――各社の有機EL,画素メモリ内蔵液晶編(1)

シャープ以外のブースでは,展示の目玉はやはり有機ELだった。ただ,期待も大きい半面,依然として課題も多いというのが実情のようだ。また,エプソンが液晶モジュールと組み合わせて使うスマートフォンのエンジンを出展していた。

 三洋電機ブースでは,アクティブマトリックス型フルカラーの有機ELディスプレイに,まず目がいった。有機EL独特とでも言えばよいか,独特の黒味がかった画質で,あえて言えば,TFT液晶よりプラズマディスプレイに近い印象だ。

 以前は弱いとされた赤の発色なども,SharpのLEDバックライトの液晶などと比べるとさすがに見劣りするが,決して悪くはない。このアクティブマトリックス型有機ELには,低温ポリシリコンTFTの技術が使われている。

5.5インチの有機EL――三洋電機

 展示されていたのは,5.5インチ,2.4インチ,2.2インチの3タイプで,5.5インチは320×240のQVGA(ドット配列はRGBストライプ),2.4インチは852×222(RGBデルタ),2.2インチが176×220(RGBストライプ)。輝度は5.5インチと2.4インチで200カンデラまで出ている。2.2インチは100カンデラだった。


三洋電機の5.5インチ アクティブマトリックス有機ELディスプレイ。発色は実用水準に達している

 問題は消費電力だろう。有機ELは素子自体が発光する仕組みなので,電圧をかければ美しい画質が得られる。だが,これは消費電力とのトレードオフになるからだ。開発中ということもあり,展示のディスプレイではスペック表にも消費電力が記されていなかったが,目安としてうかがったところ,5.5インチが2W,2.4インチが200mW,そして2.2インチが150mW程度ということだった。

 来年量産開始の同社にとっては,これを少しでも下げていくことが,有機ELディスプレイ普及上の重要なポイントになる。電力消費量を減らしても美しい発色を得るには,有機ELの材料膜がその鍵を握るが,これを同社に供給するイーストマン・コダックとともに,より良い材料膜を求めて研究開発を急いでいると話していた。

 小型の液晶では他に2.1インチ(176×200,RGB)の低温ポリシリコンTFT液晶があった。各画素に1bitの静止画像表示用のメモリを持っているのが特徴で,信号発生用回路や電源昇圧回路なども内蔵している。このため,26万色動画表示時には9mWだが,8色静止画像では消費電力がたったの0.07mWまで軽減される。携帯電話で待ち受け表示の場合,この静止画像を利用すれば,全体としての電力消費量を下げることが可能だ。

 もっとも,この液晶は今春の電子ディスプレイ展でも展示されており,そこからの大きな進展はないようだ。最近では折りたたみ型の携帯電話が主流になっており,これは折りたたんでいる際には液晶表示を消すこともできる。ストレート型が復活してくるまで,しばらくは「研究開発」が続くということかもしれない。この“メモリ内蔵タイプ”は,東芝などでもSRAM内蔵型の展示が行われていた。


2.1インチの画素メモリ内蔵反射型低温ポリシリコンTFT

大型化・高精細化が可能な有機EL――東芝

 NECブースでは,表示RAM内蔵の2.1インチTFTカラー液晶と,LEDフロントライトのTFT液晶が展示されていた。表示RAM内蔵2.1インチは132×176ドットで,6万5536色。150:1という高いコントラスト比と低消費電力がポイントだ。

 3.5インチと3.8インチのフロントライト・TFTアクティブマトリックス反射型液晶では,冷陰極管とLEDを選択可能になっている。コントローラを内蔵した3.8インチ型では,320×240ドット,26万色が表示可能。消費電力は80mWだった。冷陰極管とLEDでは質量などに違いはないが,厚さは6.6ミリと5.1ミリと若干LEDの方が薄くなっている。


NECのLEDフロントライト

 東芝ブースでは先に触れたSRAM内蔵型のほか,フルカラー高分子有機ELディスプレイの展示が行われていた。これは有機EL製造にあたって,発光高分子をインクジェットで画素上にパターンニングするものだ。同社では2002年の量産化を目指している。

 展示されていたのは2.2インチで144×176ドットの小さなものだったが,同技術を使うことで高精細化・大型化も可能だという。

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