News | 2001年10月3日 00:04 PM 更新 |
有機ELをはじめとして,液晶関連の展示が人気を集める「CEATEC JAPAN2001」。これは電子部品や電子デバイスなどの展示が中心の「Industry」エリアでも変わらない。別棟のHall9-11にある電子デバイスゾーンでは,大型ブースのほとんどが液晶をメイン展示に据えており,新製品や開発中の液晶モジュールの展示を行っていた。
同ゾーンの展示を中心に,液晶の「次」を見てみよう。まずは「液晶のシャープ」から。
シャープブースでまず目を引いたのは,ずらっと並んだ「システム液晶」の参考出展だ。このシステム液晶とは,液晶とICが融合したデバイスに対する同社独自の名称で,ベースになっているのは「低温CGシリコン(連続粒界結晶シリコン)」という液晶技術。
ポリシリコン薄膜の一種だが,電子が単結晶シリコン並みの速度で移動可能という特徴があり,駆動可能な周波数が高い。例えば,従来のアモルファスシリコンと比べると,CGシリコンの電子移動度は約600倍という。
その結果,これまでには考えられなかったような,信号劣化のない高解像度の画質を得ることができる。また,CGシリコンにはもう1つ,液晶パネル上に周辺回路や素子を一体化できるという特徴も兼ね備えている。
言葉で書くと難しいが,その「効果」は一目瞭然だ。一例が,手のひらサイズの「ハイビジョンモバイルTV」。7インチ(対角18cm)のW-XGA液晶で,1280×768/フルカラーの高解像度・高画質が得られる。ドライバまわりが一体になっているため,モジュール周辺の額縁部分が非常に狭くて済み,写真のように,片手で持てるPDAサイズで,ハイビジョンTVを実現できる。
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片手で持てるモバイルハイビジョンTV |
同様の液晶モジュールで高精細のPDAや高精細モバイルPCも展示していたが,なるほどと思ったのは,電子ブック。電子ブックというと,片面でA4サイズもあるモジュールがこれまで展示されており,そんな重そうなもの,一体誰が持ち歩くかと思っていたのだが,写真のそれはほぼ文庫本のサイズだ。これなら十分携帯する気になれるだろう。
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7インチのモジュールを2枚使った電子ブック |
CGシリコン液晶モジュールは,他に2インチのQVGA液晶(320×240,26万色,テキストドライバ8色)と同じく2インチのアドバンストカラー液晶(176×220,6万5536色,テキストドライバ8色)があり,それぞれ,TV受信機能内蔵の携帯電話や,ペンダント型の液晶情報端末?などのプロトタイプの形で展示されていた。
同社では2003年-2005年には,このCGシリコン液晶を使ったシステム液晶が液晶事業の大きな柱になると考えており,来年夏には天理NF1でモジュールの量産を開始する予定だ。
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既存の携帯よりやや横に平べったく,薄型イメージのTV受信機能内蔵携帯 |
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ペンダントサイズの高画質 |