News 2001年10月10日 10:00 AM 更新

「Athlon XP」国内でも正式発表――新命名法は受け入れられるか?

デスクトップ用新CPU「AMD Athlon XPプロセッサ」が国内で正式発表された。クロック値でIntelに差を付けられているAMDが,実際のチップ性能を反映する命名法でIntelに対抗する。

 日本AMDは10月10日,デスクトップPC用の新CPU「AMD Athlon XPプロセッサ」を国内でも正式発表した。800〜2000ドル超の「パフォーマンスPC」セグメント向けのプロセッサとなる。クロック値ではなく「実性能値」を前面に押し出した“モデルナンバー”で製品名を表記しているのが特徴だ。「1800+」(クロック周波数1.53GHz),「1700+」(同1.47GHz),「1600+」(同1.40GHz),「1500+」(同1.33GHz)の4種類がラインアップされる。


Athlon XPのロゴマーク

 価格は以下の通り(1000個ロット時の単価)。

モデルナンバー クロック周波数 価格
1800+ 1.53GHz 3万2760円
1700+ 1.47GHz 2万4700円
1600+ 1.40GHz 2万800円
1500+ 1.33GHz 1万6900円

 Palominoコアを使用しているAthlon XPは,3750万個のトランジスタからなっており,1.75ボルトの動作電圧で駆動する。従来のAthlonと同じくSocket Aを採用し,コアクロックと同スピードで動作する合計384Kバイトのキャッシュメモリを備える。独ドレスデンのFab30で0.18マイクロメートルプロセスにより製造される。


Athlon XPはPalominoコアを使用している

 従来のAthlonプロセッサとの比較は以下の通り。

プロセッサ名 AMD Athlon XPプロセッサ AMD Athlonプロセッサ
インフラ Socket A
プロセス技術 0.18マイクロメートル
トランジスタ数(ダイサイズ) 3750万(128平方ミリメートル) 3700万(120平方ミリメートル)
QuantiSpeedアーキテクチャ ×
キャッシュメモリ 合計384Kバイト
FSB 266MHz 200,266MHz
3D及びマルチメディア命令 3DNow!Professionalテクノロジ(新たに52命令を追加) エンハンスト3DNow!テクノロジ
温度制御機能の拡張 サーマル・ダイオード なし

 新チップに付けられた“XP”という名前は,「eXtra Performance」(追加性能)を表す。これは,Palominoコアに施されたアーキテクチャ上の拡張が“追加性能”を提供するということを意味している。また,Windows XPに向けて「eXtreme Performance」(極めて優れた性能)を提供することを示す。

 Athlon XPでは,「QuantiSpeedアーキテクチャ」を採用している。この名称は「実効性能(アプリケーション性能)の“異なる次元への大躍進(quantum leap)”を実現したという意味」(同社)だという。

 同アーキテクチャは次のような特徴を持つ。

  • 完全にパイプライン化された9命令同時発行スーパースケーラ・マイクロアーキテクチャ
  • 完全にパイプライン化されたスーパースケーラ浮動小数点演算ユニット(FPU)
  • ハードウェア・データプリフェッチ
  • エクスクルーシブ&スペキュラティブ・トランスレーション・ルックサイド・バファ(TLB)

 今回の新チップのもう1つのポイントは,相対性能をベースとする新たなモデルナンバー命名法を採用したことだ。

 例えば,「1800+」の実クロック周波数は1.53GHzとなっている。しかし,この“1800+”というモデルナンバーには,「他社製CPUの“1800”MHz(1.8GHz)クラスを上回る(“+”)性能」という意味が含まれているというわけだ。

 Athlonプロセッサは,その設計上の違いから,ベンチマークテストでは同クロック値のPentium 4よりも優れた数字を出すことができる。しかし,クロック偏重主義となっている現在のコンシューマ市場では,こういった事実はなかなかユーザーにアピールできない。

 クロック値が,PCの性能の全てを決定する尺度ではないということは,PCに詳しいユーザーなら周知のとおりだ。しかし,実際のマーケットでは,依然としてクロック偏重主義がまかり通っている。

 特に初心者ユーザーにとっては,さまざまなスペックからPCの総合性能を判断するのは難しい。よってビギナーは,数値で簡単に比較できるクロック周波数で判断せざるを得ない。

 AMD自身も,世界最速のクロック周波数をIntelと競ってきた当事者だ。1999〜2000年にかけては「Intelチップより高速か,同じ速度で低価格」をセールスポイントにして,販売を大きく伸ばした。

 従来,新しくx86アーキテクチャのCPUが登場するときには,既存プロセッサに比べてクロック数が向上し,なおかつクロック当たりの処理量(work per clock)も向上していた。しかし,世代が進むごとに性能が向上するという従来の枠組みをPentium 4が破壊してしまったとAMDは主張する。「Pentium 4では,クロック周波数は上昇しているが,クロック当たりの処理量は低下している」(同社)。

 実性能を反映する新しい「性能表記法」により,自ら招いたクロック周波数競争に終止符を打とうとする同社。この新しいモデルナンバーは,果たしてユーザーに受けいれられるだろうか。

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[西坂真人, ITmedia]

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