| News | 2001年10月23日 11:55 PM 更新 |
“写ルンです”と真っ向勝負！――使い切りデジカメ（性能比較編）
「撮ってもEG」の最大のライバルは，やはり本家の「使い切りカメラ」。代表格の“写ルンです”と性能比較を行ってみた。
苦労して手に入れた使い切りデジカメ「撮ってもEG」。再利用というコンセプトもそうだが，24枚＋インデックスプリント1枚というプリントスタイルがAPSフィルムを使用した使い切りカメラとよく似ている。使い切りカメラの主流も，APSタイプに移行しているようだ。
ということで，両者の性能比較を行ってみた。
今回，APS版の使い切りカメラには，富士写真フィルムが誇る「写ルンです」の最新機種「写ルンです スペシャルEye800」を用意した。フラッシュ有効距離が最大6メートルと，撮ってもEG の2倍以上あり，ISO800の高感度フィルムと合わせて夜間撮影に力を発揮しそうなカメラだ。
高感度フィルムのメリットは暗所撮影だけではない。速いシャッタースピードにできるため，初心者にありがちな「手ブレ」にも強くなる。ちなみに，写ルンです（スペシャルEye800）のシャッタースピードは，1/140秒だ。
両機種の主な比較は以下の通り。
| 製品名 | 写ルンです スペシャルEye800 | 撮ってもEG |
| 記録媒体 | APSフィルム（nexiaズームマスター800） | 内蔵フラッシュメモリ |
| 感度 | ISO800 | 不明 |
| 撮影枚数 | 25枚 | 24枚＋インデックスプリント1枚 |
| 焦点距離（F値） | 30ミリ相当（F10） | 45.5ミリ相当（F2.6） |
| 撮影距離範囲 | １メートル〜無限遠 | 40センチ〜無限遠 |
| フラッシュ有効距離 | 1〜6メートル | 1〜2.5メートル |
| フラッシュスイッチ | パイロットランプ付スライド式スイッチ | 無し |
| サイズ（幅×高さ×奥行き） | 106×50.5×21ミリ | 100×65×30ミリ |
| 重さ | 87グラム | 130グラム |
| 価格（コスト） | 約2170円（インデックスプリント含む） | 1980円 |
まずは，サイズの比較だが，重さ，大きさともに 写ルンです の圧勝だ。撮ってもEG は，タバコケースほどの大きさでデジカメとしてはコンパクトな部類だが，写ルンです の方はAPS版になってさらに小さく薄くなっている。
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| 写ルンです（上） と 撮ってもEG（下）のサイズ比較。撮ってもEG は，タバコケースほどの大きさ |
レンズは， 写ルンです が35ミリフィルム換算で30ミリ相当と広角タイプなのに対して，撮ってもEG は45.5ミリと標準レンズに近い。人間の目に近い焦点距離は50ミリと言われているが，風景から人物までさまざまなシーンで重宝するのは広角タイプだ。実際に使ってみると，明らかに画角の違いが分かる。この項目でも，使いやすさで 写ルンです の勝ちだろう。
撮影していて1番気になったのは，シャッターの部分。写ルンです は，押したときに沈み込みが適度にあって，シャッターを切る感覚が分かるようになっているが，撮ってもEG は，チープな電卓のようなボタンで沈み込みがほとんどない。「ピッ」という電子音が鳴るものの小さくて戸外ではよく聞こえず，何度か“シャッターの2度押し”をしそうになってしまった。
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| 両機種のシャッター部分。撮ってもEG はチープな電卓のようなボタン |
さらに，暗所撮影で困ったのが，撮ってもEG にフラッシュのスイッチが無いことだ。写ルンです には立派なスライド式スイッチがあり，さらに本体上部に赤く光るLEDまで飛び出して知らせてくれるのにだ。
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| 赤く光るLEDまで飛び出すフラッシュシステム |
外観からは，センサーらしきものが確認できない。どうやら，CMOSセンサーから入る明るさでフラッシュのON/OFFを制御しているようだ。液晶表示窓には「Auto」の文字とフラッシュマークが出るのみで，フラッシュが点灯するかどうかという目印もない。
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| 裏面にもフラッシュのスイッチは無い。液晶表示窓には「Auto」の文字のみ |
最後に，コストの比較だ。撮ってもEG の価格（1980円）にはプリント代も含まれるため，写ルンです にも本体価格に同時プリントの料金を加えなければならない。全国に約1200店舗を展開するDPE店「パレットプラザ」の料金（現像代550円，プリント30円/枚）を参考に計算してみると，24枚撮影したときの料金は1270円となる。写ルンです（スペシャルEye800）本体の価格が900円前後なので，トータルコストでは 撮ってもEG がわずかにリードしたかに見える。しかし，使い切りカメラには500円から買えるものもあり，コスト的には互角といったところだろう。
次回（最終回）は，コンビニでのプリントシステム体験レポートと，実際に撮影した画像の比較を行ってみたい。
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