News 2002年1月10日 11:59 PM 更新

東芝,独自技術のDVD-Blue試作機をCESで展示

東芝は,片面30Gバイトの容量を持つ独自のDVD−Blue規格のレコーダやメディア,ヘッドをラスベガスで開催中のCES2002に出展した。同社によれば,今年2月にもDVD-Forumで東芝案として提案する予定。

 東芝は米国ラスベガスで開催中のConsumer Electronics Show2002において,青色レーザーを利用した片面1層で30Gバイトの容量を持つDVDビデオレコーダの試作機を展示した(1月8日の速報記事参照)。同社は2月にもDVD ForumにDVD-Blue(仮称)の東芝案として提案を行う。


CES2002に展示された東芝のDVDビデオレコーダ

メディア(左)とオプティカルヘッド(右)

 記録は相変化光ディスク方式で,他社案とは物理的な密度以外に,フォーマットレベルでの違いもあるという。

 在来のテレビフォーマットに合わせて設計された現行のDVDに対し,HDTV対応の次世代ビデオ記録メディアの開発が求められている。現在のところ,HDTVに対応する記録メディアは磁気テープを用いたものしかなく,ディスクメディアとしてDVDの高密度化が必要とされているためだ。

 短波長の青色レーザーを用いて記録密度を向上させようとしているメディアには,松下電器,日立製作所,東芝,日本ビクターが50GBの容量を持つ片面2層式の相変化光ディスクを開発していた。この容量で24Mbpsのデジタルハイビジョンを4時間録画が可能だ。

 一方,ソニー,パイオニア,フィリップスはDVR-Blueの名称で,やはり青色レーザーを採用した相変化光ディスクの規格を共同開発している。片面1層で22.5GBの容量を持ち,約2時間のデジタルハイビジョン映像を記録することができる。

 東芝は松下電器が開発した2層50Gバイトの方式を元に開発することを表明していたが,1層あたりの容量を上げるため,PRML方式という雑音に強い信号識別方式を採用することで記録密度を向上させた。物理的な記録の手法は,松下方式と大きな違いはないという。

 担当者によると,今年2月の仕様提案後,2005年までの実用化を目指してDVD Forumでの活動および開発を行っていく。また同メディアのコンピュータへの応用も並行して進められる。

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[本田雅一, ITmedia]

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