News 2002年1月10日 03:00 PM 更新

ソニー,液晶・キーボード一体型のデスクトップ「バイオW」を正式発表

“家で使うためのパーソナルなバイオ”として新登場した「バイオW」。コンパクトさを追求した液晶・キーボード一体型のボディに,AVを楽しむ機能・装備を搭載した。実売16万円前後というプライスも魅力だ。

 ソニーは1月10日,本体に液晶ディスプレイとキーボードが一体となったデスクトップ機「バイオW」を発表した。これは,昨年12月末に同社がWeb上にて開発表明していた製品だ。2月2日より発売。価格はオープンだが,実売は16万円前後になる見込みだ。


液晶ディスプレイ一体型のデスクトップ機「バイオW」

 バイオシリーズの新しいラインアップとなるバイオW。そのコンセプトは「家で使うためのよりパーソナルなバイオ」だ。

 家での個人利用に狙いを絞った今回の新製品は,本体のコンパクトさを徹底的に追求。キーボード収納時には487(幅)×278(高さ)×191(奥行き)ミリとなり,奥行きや高さを極力抑えたボディサイズに仕上がっている。

 本体色はホワイトとブラックを用意。自分の好みや部屋のイメージに合わせたカラーリングを選べるというのもデスクトップ機では珍しい試みだ。カラーバリエーションの導入は,バイオシリーズの店頭販売モデルでは初となる。


本体色はホワイトとブラックを用意。好みのカラーリングを選べる

 一体型の液晶は,15.3インチのワイドTFT液晶を採用。解像度は1280×768ピクセルとなり,一般的なXGA液晶ディスプレイに比べて25%ほど横方向が広くなっている。

 「ワイド液晶を採用することで,広い画面領域は確保しながら本体の高さを抑え,机の上などに置いても圧迫感を与えないようにしている」(同社)。

 据え置きが基本スタイルだが,机の上での移動やリビングのローテーブルからの上げ下げなどちょっとした移動が簡単にできるのも,一体型のメリットだ。本体の重さは約9キロ。電源は本体に内蔵されており,ACアダプタは使用していない。

 また,机の上の狭いスペースを有効活用できるようにキーボード収納機構を用意。液晶ディスプレイ下部にヒンジ部分がある“可倒式”になっており,キーボード収納時(画面に倒した時)の本体奥行きは約19センチとなる。机に置いたときの省スペース性はノートPC以上だ。


キーボードを収納した状態。奥行きは約19センチとなり,省スペースに貢献

 キーボードを収納した状態でも,画面上部分の約1/3ほどは見えるようになっている。本体内蔵のステレオスピーカー(3W+3W)も上のほうに設置してあるので,収納時もスピーカーが隠れない。

 このようにキーボードを閉じた状態でも音楽再生ができるのが,独特なスタイルを生かしたバイオWの特徴的の1つだ。音楽ファイル管理/再生ソフト「SonicStage for VAIO」にバイオW専用スキンを用意し,キーボードを閉じた状態で操作ができるようになっている。スキンは,キーボード開閉と連携して自動的に変更され,マウスポインタも画面が見える範囲でしか動かないようになる。

 本体にはTVチューナーを内蔵しており,標準搭載のGiga Pocket LEを使ってTV番組の録画/再生/管理が行える。別売りのGiga Pocket/DVDビデオ用リモコンにも対応している。

 CPUはCeleron/1.2GHzを採用し,メモリは256Mバイト,HDD容量は約40Gバイトだ。ドライブはDVD-ROMとCD-RWのコンボドライブを搭載し,「MediaBar DVDプレーヤー」を使ってワイド液晶を生かしたフル画面でのDVDビデオ再生ができる。

 また,メモリースティックスロット1基,PCカードスロット(TYPE II)2基を本体側面に装備。10BASE-T/100BASE-TXやIEEE1394(iLINK S400),USB,モデムポート(56Kbps)など,さまざまなインタフェースが用意されている。

 デスクトップ用CPUやHDD,マザーボードを採用することでパーツコストを抑え,光学ドライブなどはノート用を使うことで専用パーツを使わずにコンパクト性を保つなど,コストダウンへのさまざまな工夫により,実売16万円前後という価格を実現した。

 液晶・キーボード一体型というスタイルで登場したバイオW。過去にもいくつかのメーカーがこのような一体型デスクトップPCを市場に投入しているが,いずれも成功したとはいい難い結果に終わっている。

 デスクトップPCの強力なAV機能に,ノートPCの省スペースを兼ね備えたのが一体型PCの魅力だ。これにキーボード収納時でも音楽が聴けたり,さまざまなインタフェースを標準装備するといったソニーならではの“エッセンス”を加えることで,「一体型PCは売れない」という定説に挑戦していくバイオW。好調なセールスをみせるバイオシリーズの1ラインアップとして定着していくのか,注目していきたい。

 バイオWの主な仕様は以下の通り。

製品名 バイオ W
CPU Intel Celeron/1.2GHz
メモリ VirtualChannel DRAM 256Mバイト(最大512Mバイト)
チップセット VIA ProSavage PN133T
HDD 約40Gバイト
グラフィック チップセット内蔵(32Mバイト,メインメモリ共有)
ドライブ DVD-ROM/CD-RWコンボ
インタフェース メモリースティックスロット×1,PCカードスロット(TYPE II)×2,10BASE-T/100BASE-TX×1,iLINK S400(6ピン×1,4ピン×1),USB×2,モデム用モジュラージャック(LINE×1,TEL×1)
ディスプレイ 15.3型TFT液晶(1280×768ピクセル)
OS Windows XP Home Edition
サイズ 本体直立・キーボード収納時:487(幅)×278(高さ)×191(奥行き)ミリ
重さ 約9.2キロ(本体)
本体色(モデル) ホワイト(PCV-W101/W)/ブラック(PCV-W101/B)
価格 オープン(実売16万円前後)
発売日 2月2日

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[西坂真人, ITmedia]

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