News 2002年1月13日 08:49 AM 更新

統合コネクタ対応のグラフィックカードなどを参考出品――I・O DATA

アイ・オー・データ機器はCES会場近くのホテルでプライベート展示を行い,ここで未発表製品の参考出品などを行っていた。なかなか面白い製品があったので,紹介しよう。

 アイ・オー・データ機器は「Consumer Electroncs Show2002」へのブース出展を行っていたが,それとは別にホテルのスイートルームでも,これから発売が予定される新製品をいくつか展示していた。いずれも家電というよりは,便利なPC用周辺機器という位置づけのものが多い。

省スペースPCの統合コネクタに対応したグラフィックカード

 GA-NF30PCIは,nVIDIA GeFORCE MX400を搭載したPCIバス用グラフィックカード。これだけならば,何ら珍しくはないが,他の製品と大きく異なるのは,NECと富士通が省スペースデスクトップPCにバンドルしている,スピーカー,USBハブ,電源ラインなどを統合した液晶ディスプレイ接続用の統合コネクタに対応していることだ。

 このコネクタは標準品ではなく,接続ケーブルを1本に集約するために各社が独自に作っているものだが,調達先が同じなのかNECと富士通は同じ形,同じ仕様のコネクタになっているという(ソニーVAIOシリーズは異なる仕様を採用しているため,利用できない)。


NECと富士通の独自コネクタに対応したカード。USBとサウンド出力のパススルー用コネクタが付属しているほか,通常のVGAコネクタももちろん備えている

 省スペースデスクトップ機の中にはローコスト化のため,i810系などチップセット内蔵グラフィック回路を利用したものが多かったが,その性能は今からすればかなりチープ。プロセッサのアップグレードをしても,3Dを楽しむところまでは行けない。またスロット数やチップセットそのものの制限などで,AGPスロットが存在しない製品も多い。

 そこで空いているPCIスロットに対応し,NEC,富士通製の液晶ディスプレイに対応するこの製品が登場したというわけ。もちろん,より高機能なPCや自作PCに乗り換えたユーザーがそれまでの液晶ディスプレイを流用したり,セカンドディスプレイとして利用するといった用途も考えられる。

 ボード上には電源を供給するためのコネクタやUSBや音声出力を取り出すためのケーブルが添付されている。製品は2月中に2万円台で発売されるという話だった。

PDAで大画面のプレゼンテーションを可能にするアダプタ

 PocketPCやHandheld PCの画面をVGAコネクタから出力するプレゼンテーション用のPCカード「PCPDX」,およびそのCF TYPE Iカード版も展示されていた。PocketPC内のPocket PowerPointに特殊なドライバを挟むことで,プレゼンテーション出力を別ディスプレイで表示できる。

 解像度は1024×768ピクセルまでで,800×600ピクセルまでならば6万5000色を表示できる。カード型リモコンが添付されており,PocketPC側のIrDAポートを通じてリモートコントロールすることも可能だ。


PDAから大画面のプレゼンテーションも行える「PCPDX」

 ノートPCを利用せずに軽量かつコンパクトなPocketPCでプレゼンを行えるのはなかなか便利そうだ。また,将来的にはPalm OS系のデバイスにも対応させたいという。

3.5インチベイに収まるユニークなRAIDコントローラ

 3.5インチドライブベイに装着可能なRAIDコントローラ「R-IDE2」シリーズは,ATAドライブとして見える,トランスペアレントに利用可能なRAIDコントローラだ。液晶ディスプレイ付きのR-IDE2-LCと,表示がLEDだけのR-IDE2-LEがある。RAIDレベルは0(ストライピング)と1(ミラーリング)に対応。2台のATAハードディスクを接続できる。

 PC側からは一般的なATAハードディスクにしか見えないため,特別なドライバが不要であらゆるOSで利用することが可能。外付けSCSI接続のRAID装置のコントローラ部を取り出した製品と考えればいいかもしれない。

 スワップ可能なハードディスクケースと組み合わせると,RAID1時の障害発生でディスクのホットスワップを行うこともできる。初回のRAID構築時を含め,ビルド作業はすべて自動的に行ってくれる。発売日および価格は未定。

DiMAGICの仮想サラウンドをノートPCに

 アイ・オー・データ機器はDiMAGIC社の仮想サラウンドシステム「Stereo Dipole」技術のライセンスを取得し,P2DiPOLE(生産終了)というコンパクトなサラウンドスピーカーシステムを発売してきた。

 Stereo Dipoleは2スピーカーの仮想サラウンドとはとても思えない迫力が魅力の技術で,不思議なほど明確な音像定位とクリアな音質を実現する。この技術を液晶ディスプレイやノートPCのドッキングステーション用スピーカーにいかが?というのが,同社の提案である。

 Stereo Dipoleでは2つのスピーカーを離さず,近い位置に置くことでチャンネル間の干渉を抑えるように設計されているため,小型のシステムに向いている。コンシューマ製品としてのP2DiPOLEは決して成功したと言えなかったが,その効果は驚くほど。ノートPC用としてはおもしろいと思う。


Stereo DipoleをノートPCにも内蔵を,とアピール
[本田雅一, ITmedia]

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