News 2002年2月21日 05:15 PM 更新

携帯で似顔絵作成──キュービック・モアの「Make Me」

ベンチャー企業のキュービック・モアが開発している「Make Me」は,似顔絵アニメ作成ソフト。カメラ付きの携帯電話で,あの娘の似顔絵を作ってしまおう!

 友人から,似顔絵アニメーション付きの電子メールが届いた。何やら,踊りを踊っているようだが──。

 ベンチャー企業のキュービック・モアは,韓国企業と提携し,似顔絵アニメ作成ソフト「Make Me」の国内展開を計画する。冒頭の添付画像も,Make Meで作成したもの。韓国では,ネットゲーム(麻雀)や出会い系サイトなどで,自分の顔を晒すかわりに,アバターとして2Dアニメーションを表示するのが流行っているという。

 現在,キュービック・モアではサービス開始に向けてMake Meの開発を行っている。並行して,ビジネスプランの策定も進められているが,企画開発本部長の若井直樹氏は,「韓国ではこのソフトをASPとして提供するポータルが存在するが,今のところ,国内では,そういったビジネスするつもりはなく,別のやり方でB2B2C型のビジネスを展開する」と話す。

 若井氏が考えているのは,携帯電話への応用とCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)への展開および企業向けサービスである。

 まず,携帯電話分野では,カメラ機能付き携帯電話での似顔絵アニメ作成サービスを検討している。キュービック・モア単体で事業化するのではなく,パートナーシップを利用して迅速にサービスを開始する計画だ。

 ただ,Make Meは現在の仕様だと,似顔絵を作成するために取り込んだ画像を自分で修正しなければならない(眉毛や目などの各パーツ)。これは,携帯電話の小さい液晶画面ではなかなか困難な作業となる。そこでキュービック・モアでは,取り込んだ画像から似顔絵をほぼ自動的に作成できるようにするつもりだ(なお,キュービック・モアでは,似顔絵作成,ならびに表情作成の技術について特許を出願している)。



 「6月にリリース予定のバージョン2では,自動化が果たせる。撮影した画像をメールで送れば,似顔絵が出来上がるという仕組みを考えている。夏には3D版も提供できる」(若井氏)。

 もちろん,携帯のカメラで撮った画像から似顔絵を作成するわけだから,「PCほど正確にできるわけではない。むしろ,特徴をつかんで雰囲気が伝わるようにしたい」(若井氏)。

 では,CRMへの展開とは……? 似顔絵とCRMは全く関係がないようにも思えるが,若井氏は「スーパーマーケットが地域顧客向けにメールマガジンを配信する際に,店長の似顔絵を添付したら,店の売り上げが上がったという実例もある。Make Meでは,怒ったり泣いたりという表情のほか,ダンスを踊らせることもできる。顧客との関係を築くのに適したツールだ」と強調する。

 ほかにも,Make Meの使い方はある。例えば,お気に入りのアイドルの画像から2Dのアニメーションを作成することだって可能だ。そして,好みの踊りを踊らせて悦に入ることもできるのだが,「顔と組み合わせるダンスパターンを有料にすることも可能だ」(企画開発部主任の笈田和孝氏)という。

 うーん。なかなか商売上手のようである。

[中村琢磨, ITmedia]

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