News 2002年2月27日 09:23 PM 更新

「IP.net JAPAN 2002」が開幕,Bluetooth&PANの専門イベントも

横浜・パシフィコ横浜でブロードバンドソリューション展「IP.net JAPAN 2002」が開幕した。PANに的を絞った「Bluetooth&PAN 2002」が同時開催されている。

 横浜・パシフィコ横浜で2月27日,ブロードバンドソリューション展の「IP.net JAPAN 2002」が開幕した。今回で3回目となるIP.net JAPAN。当初,「IPソリューション展」を謳っていたが,ADSLやCATV,ならびにIP-VPNなどブロードバンドインフラソリューションやCDNが注目を集めていることもあり,時代の流れにあわせて呼称を変更した。


ビジネスマンで賑わう会場。出展者数は98社。3月1日の閉幕までに1万2000人の来場を見込んでいる

 また,今回注目したいのは,同時開催イベントの「Bluetooth & PAN 2002」である。これは,その名の通り,BluetoothとPAN(Personal Area Network)の構築をテーマにしたもので,ケンウッドがBluetoothに対応したカーナビや,AVテーブル,ヘッドホンなどを展示。意欲的な取り組みを見せている。


ケンウッドがデモンストレーションを行っていたBluetooth対応カーテレマティクスユニット。現在策定中のAV Profileをサポートし,PCに保存された音楽ファイル(SBC形式)をカーステレオで再生することができる。さらに,Dialup Profileを使い,ハンズフリー通話やカーナビ情報のダウンロードを行うことも可能だ

IT革命“第2幕”

 IP.netでは毎年,展示会場だけでなくカンファレンスの充実にも力を入れているが,今年はインターネット総合研究所(IRI)の藤原洋所長,ならびに米MicrosoftのJawad Khaki副社長などが登壇した。

 「ブロードバンドとワイヤレスで実現するパーソナルエリアネットワーク時代の到来」と題して講演を行った藤原氏は,ADSLの爆発的な普及によってブロードバンド環境が整備されつつあることで,IT革命の「第2幕」が切って落とされたと強調。「ブロードバンドとIPv6の組み合わせに,ユビキタスネットワークを絡めた具体的な応用を産業にしていけば,2002年に日本は世界でも最先端の国家になる可能性もある」と強気な見方を示した。

 この応用方法の具体的なイメージとして藤原氏は,「ブロードバンド接続による大容量コンテンツの配信運用技術」を挙げた。「大容量コンテンツ配信に耐えうるシステム構築技術,ならびに運用技術はまだ確立できていない。現在,この分野で進んでいるのは日本だ」(同氏)。

 一方,「Microsoftが実現するユビキタス・ワイヤレス・ネットワーク社会」と題してBluetooth&PANの基調講演を行ったKhaki氏は,Bluetooth対応のマウスやキーボードを披露。これは,1年前に開発されたものとのことだが,Khaki氏は「われわれが,Bluetoothにずっと取り組んでいることは理解してもらえるだろう」とアピールした。

 なお,Khaki氏は,Windows XPのBluetooth対応について,2002年第2四半期までにアップデータのベータ版を,2002年末までには正式版をリリースすることを明らかにした。

 「Windows XPがBluetoothをサポートすれば,ワイヤレスデスクトップも実現する。Microsoftでは,WindowsファミリーへのIPv6スタックの搭載,無線LANへの対応など,ワイヤレス分野に力を割いてきた。WAN,LAN,それにPANがお互いに補完しあい,融合することでユビキタス・ワイヤレス・ネットワークが実現する」(同氏)。

関連リンク
▼ IP.net JAPAN 2002
▼ Bluetooth&PAN 2002

[中村琢磨, ITmedia]

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