News 2002年3月1日 10:53 PM 更新

デスクトップPCの新しい方向性?――超小型SFFモデルを東芝が参考出展

インテルが3月1日に行った「インダストリ フォーラム 2002」では,PCメーカー各社からPentium 4を搭載したPCの展示が行われた。その中で,東芝が参考出展した超小型のスモールフォームファクタ(SFF)モデルには,デスクトップPCの新しい方向性が垣間見える。

 インテルが3月1日に行った「インダストリ フォーラム 2002」では,PCメーカー各社からPentium 4を搭載したPCの展示が行われた。その中で,東芝が参考出展したスモールフォームファクタ(SFF)モデルが,来場者の注目を集めていた。


東芝が参考出展したSFFモデルのデスクトップPC

 この超小型デスクトップPCは,先月末に行われたIntel Developer Forum Spring 2002(IDF 2002)で初披露されたものだ。国内では,今月にも製品発表する予定だという。

 Pentium 4を搭載した省スペース型デスクトップPCでは,日本ヒューレット・パッカードの「hp e-pc 42」が9.5(幅)×25(高さ)×28(奥行き)センチで体積容量が6.7リットルと業界最小をうたっている。

 今回,東芝が開発した新PCは,縦置き時のサイズが,6.7(幅)×20.5(高さ)×20(奥行き)センチ,体積容量では2.6リッターとなり,hp e-pc 42の半分以下にまでコンパクト化に成功した。中央部に装備されているPCカードスロットやマウスと比べれば,その小ささがわかるだろう。

 非常にコンパクトなきょう体は,同社が昨年4月に市場投入したEQUIUM S5010シリーズとほぼ同じものを使用している。「今回,きょう体を流用するにあたって熱対策のために放熱穴を増やした」(同社)。

 発表当時から熱対策が問題となっていたPentium 4だが,同社によると,開発にあたって一番苦労したのがやはり排熱処理だったという。

 PC内部をみると,まず大きなファンが目に飛び込んでくる。実は,本体背面側にも小さめのファンがもう1つついているのだ。大きいファンで吸気し,小さいファンで排気を行う。吸・排気2つのファンによって本体の中で空気の流れができ,効率よく排熱できるようになっている。

 ファンの追加などで,重さは3.3キロとS5010よりも500グラム増となっている。それでも,A4オールインワンノートPCと同程度の重さだ。


大きなファンが目立つPC内部。HDDは3.5インチを使用

 マザーボードはさすがに独自仕様だが,そのほかは一部部品にノート用を使用している以外すべてデスクトップの汎用部品を使っている。HDDも,2.5インチではなく3.5インチだ。

 「以前,一体型省スペースデスクトップPCに2.5インチHDDを採用して,ユーザーからクレームがきたことがあった。コスト面からみても,やはりデスクトップPCには3.5インチHDDとなった」(同社)。

 最近のユーザーは,ノートPCを省スペースなデスクトップPCとして利用するケースが増えている。ここまでコンパクトにしてまで,デスクトップPCのスタイルにこだわる理由はなんだろうか。

 「ノートPCではディスプレイのリプレイスができないが,デスクトップPCなら好みのディスプレイを選択できる。それに,汎用部品を利用できるからコストダウンが可能」(同社)。

 展示では縦置きになっていたが,このPCは横置きにも対応している。ボディを横にすると,ちょうどその上に周辺機器を積み重ねていけるデザインとなっている。「商品化にあたってPCユーザーのデスクまわりを調査したところ,外付けドライブの置き場所に困っているケースが多いことがわかった。このサイズなら,オーディオコンポのように積み重ねていくことで,デスクまわりもスッキリする」(同社)。

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[西坂真人, ITmedia]

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