News | 2002年3月20日 10:23 PM 更新 |
アイ・オー・データ機器が先月発売した低価格のNAS(Netework Attached Storage)製品「HDA-i80G/LAN」(定価:4万9800円)の売れ行きが好調だ。同社第2開発部開発5課の小笠原広満氏によれば,「生産が追い付かない」状態だという。
HDA-i80G/LANは,アイ・オーのマルチインタフェース規格「i・CONNECT」対応の80GバイトHDDと,LANコンバータ「LAN-iCN」(単体価格は2万4800円)から構成される。LAN-iCNのCFカードスロットに,米LINEOの組み込みLinux「Embedix」ならびにファイルサーバアプリケーションを搭載。プロトコルはTCP/IP(SMB,AppleTalk)をサポートする。ユーザー設定は,Webブラウザから行える。
「それなりの需要はあると思っていたが,こんなにヒット商品になるとは思わなかった」(小笠原氏)。
同社ではNAS製品として,DHCPサーバ/クライアント機能や自動電源切断機能を備えたSOHO向けの「ET-NAS60G」(定価:12万円)という製品を発売しており,HDA-i80G/LANはその廉価版のような位置付けを狙ったものだった。
ところが,思わぬ需要があることが分かった。同社が調査したところ,「社内で共有サーバとして使うよりも,個人が,“机の上に外付けHDDを置きたくない”という理由でHDA-i80G/LANを購入していた」という。
「NAS製品に対する需要はあるものの,価格の問題から大きく普及するにはいたっていません。実はアイ・オーでもこんなに売れるとは思わず,あんまり作ってなかったんですよ(笑)」(小笠原氏)。
今年の事業目標を,「ネットワークもアイ・オー・データと呼ばれるために」と掲げる同社では,無線LAN製品に加え,LAN-iCNを利用した製品にもバリエーションを持たせる計画だ。
既に,i・CONNECT対応のCD-RW,MOドライブについて,LAN-iCNと組み合わせてファイルサーバとして機能するプロトタイプを開発済み。CD-RWは「ネットワーク経由での書き込みが技術的に難しい」(小笠原氏)ため現状ではリード機能のみに,MOはリード/ライトに対応している。
また,同氏によれば,CD-RWやMOなどのリムーバブルメディアを利用したファイルサーバについて,「誰かが取り出してしまったらどうするのか? 離れたところに出し入れしに行かなければならないのは面倒ではないか? など製品化に向けていろいろ詰めなければならない」部分があるという。
さらに,アイ・オーでは,LAN-iCNのCFカードスロットにOSとアプリケーションを入れたマイクロドライブを挿入し,そのままファイルサーバとして使ってしまえる製品も開発している。
「ブロードバンドの普及により,家庭内でLANを構築する人が増えている。単機能で安価なファイルサーバは利便性が高い。また,現在はファイルサーバ機能だけしか提供していないが,CFカードにWebサーバ用アプリケーションを入れることで,LAN-iCNをアプリケーションプラットフォームとして進化させることも可能だ」(小笠原氏)。
関連記事
LAN接続の外付けHDD,手軽なNASに アイ・オー
関連リンク
アイ・オーデータ機器
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.